シングルカードのアレ事情2
2006年12月20日だれですかね、グーグルサーチから「通貨偽造の方法」なんてキーワードで来た人は。
うちにはそんな高級な情報はありません。
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前回に引き続き、シングルカード話。
どっちかというと、非常に狭い範囲でのビジネス論的な意味合いが強いので、興味がない人は鮮やかにスルーしてください。また数週間後に戻っておいで〜
さて、買取価格のおはなし。
マジックのシングルカードの買取価格は「販売価格の3〜6割」が基本となります。
ま、一般的な商売でも「仕入れ値は6掛け(販売価格の6割)」が基本なので、それを知っていればそれほど驚かない数字ではありますが……やはり一般のプレイヤーの方からすると自分の持っているカードの価値が半分になったような気分になるようで。まぁ、仕方ないんですけどね。
(ちなみに本当に蛇足の話ですが、某KナミのY戯王というゲームでは、一般の小売店ではパックの仕入れ値が7掛け・8掛けが当たり前なようです。二次問屋ではなく三次問屋からしか購入できないところでは、仕入れ値が売値の85%を超えることもあると聞きました。相変わらずあそこはキッツイ商売やってるなあ)
マジックのカードは売れる旬というのが非常に限定されていて、在庫リスクがかなり大きい部類の商品になるんです。しかもその上で更に「メタゲーム」やら「どこぞの大会での優勝デッキ」やらでお客さんの好みがコロコロ変わっちゃうので、値段がとってもとっても流動的。市場での販売価格が高いカードでも、買取ではそれほどのお金を出せない理由はソコなんです。
最近ではインターネットの普及によって、どこぞの優勝デッキは24時間以内に全世界に広まります。人気のカードは一夜で値段が急騰してますます入手が難しくなり、メタから落ちたカードは一気に需要がなくなります(値段は急落せず、時間をかけて緩やかに、しかし確実に下降します。いらなくなったからって今まで一線で使っていたカードを大安売りで手放したがるプレイヤーはそんなにいませんから。このへんはちょっと面白いところですね)。
このヘンがマジックのシングル屋と一般の古物売買商(例:古本屋など)の一番の違いかもしれませんが、マジックはそのゲームの性質上(非常に短期間で変動するモノではありますが)本来の商売なら基本的にありえない「100%売れる」商品というのがあり、しかも売れる時は同じ商品が4つ単位で売れるという、これまた一般的な商売ではありえない売れ方をして下さるのです。
しかもショップを訪れてくれるお客さんも、かなりの率でその「いま一番ホットなカード」を目当てにやってきますので、店としてはなんとしてもその「ホットなカード」を品切れにさせない努力が必要となります。
極端な話をしますと、100%確実に売れることがわかっているカードなら、売値の9割以上の値段を払って仕入れてもOKですよ。儲けが1割しかありませんが、それでも絶対に儲かるんだし。店の信用を作るのが目的として考えれば売値の10割、すなわち儲けがゼロでも「店にとってはプラス」ですね。メルカディアンマスクス時代の「リシャーダの港」などで実際にあった話です。
買取価格を見れば、その店がどのような方針でシングルを扱っているかがわかります。
『買取価格を見ればその店の「マジック」の理解度がわかる』と言われるほどです。
とにかく安く買い取って安売りする店、高い金を出してでも在庫を常に充実させようとする店、トーナメント・プレイヤーを囲い込んで次の流行をいち早く抑えようとする店……いろいろです。
さて、これでシングルカードの値段が決まるのですが、この方法で値段が決まるのは基本的にレアのみです。アンコモンとコモンはまた別の方向から値段が決まっていきます。
特にコモンは、ショップの本音としては「本当はやりたくないが、客へのサービスとして取り扱い」とするのが事実でしょう。ぶっちゃけた話、コモンは1枚20円で売ってもほとんど赤字みたいなもんです。経費がかかりすぎて儲けになりません。
ま、でもそのへんはあまり面白い話でも無いので、また別の機会に。
コモン関係でいいネタが入った、もしくは他に書けるネタが尽きたらまた引っ張りだしてくるとします。
では、今回はこの辺で。
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(先週のクイズの回答)
そもそもマナ・バーンは「フェイズ」が変わる際にマナがマナプールに残っていると起こるものなので、そのマナ・バーンによって引き起こされる「ライフの損失」によって更にマナが発生するという現象を起こせばOK。よって回答は、
1) 《Lich (a, b, UN)》もしくは《Lich’s Tomb/死者の墳墓 (DST)》をコントロールした状態で、マナ・バーンを起こす。
2) ライフの損失によってパーマネントの生贄を要求されるので、《Su-chi (AQ)》《Cathodion/陰極器 (US, MRD)》《Myr Moonvessel/マイアの月帯び (DST)》のいずれかのパーマネントを生贄に捧げる。
となります。
ちなみに前回も書いたように、この問題は某マーク・ローズウォーター氏が日本のとあるイベント会場で出したものなのですが、その時点ではまだミラディン・ブロックが出てなかったためヴィンテージでのみ可能だったのですが……いまだとエクステンデッド、さらにミラディン・ブロック構築でも可能ですね。あーあ、気付いてたら「ミラディン・ブロック構築」で問題出したのに。
ご指摘感謝ですよー。
うちにはそんな高級な情報はありません。
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前回に引き続き、シングルカード話。
どっちかというと、非常に狭い範囲でのビジネス論的な意味合いが強いので、興味がない人は鮮やかにスルーしてください。また数週間後に戻っておいで〜
さて、買取価格のおはなし。
マジックのシングルカードの買取価格は「販売価格の3〜6割」が基本となります。
ま、一般的な商売でも「仕入れ値は6掛け(販売価格の6割)」が基本なので、それを知っていればそれほど驚かない数字ではありますが……やはり一般のプレイヤーの方からすると自分の持っているカードの価値が半分になったような気分になるようで。まぁ、仕方ないんですけどね。
(ちなみに本当に蛇足の話ですが、某KナミのY戯王というゲームでは、一般の小売店ではパックの仕入れ値が7掛け・8掛けが当たり前なようです。二次問屋ではなく三次問屋からしか購入できないところでは、仕入れ値が売値の85%を超えることもあると聞きました。相変わらずあそこはキッツイ商売やってるなあ)
マジックのカードは売れる旬というのが非常に限定されていて、在庫リスクがかなり大きい部類の商品になるんです。しかもその上で更に「メタゲーム」やら「どこぞの大会での優勝デッキ」やらでお客さんの好みがコロコロ変わっちゃうので、値段がとってもとっても流動的。市場での販売価格が高いカードでも、買取ではそれほどのお金を出せない理由はソコなんです。
最近ではインターネットの普及によって、どこぞの優勝デッキは24時間以内に全世界に広まります。人気のカードは一夜で値段が急騰してますます入手が難しくなり、メタから落ちたカードは一気に需要がなくなります(値段は急落せず、時間をかけて緩やかに、しかし確実に下降します。いらなくなったからって今まで一線で使っていたカードを大安売りで手放したがるプレイヤーはそんなにいませんから。このへんはちょっと面白いところですね)。
このヘンがマジックのシングル屋と一般の古物売買商(例:古本屋など)の一番の違いかもしれませんが、マジックはそのゲームの性質上(非常に短期間で変動するモノではありますが)本来の商売なら基本的にありえない「100%売れる」商品というのがあり、しかも売れる時は同じ商品が4つ単位で売れるという、これまた一般的な商売ではありえない売れ方をして下さるのです。
しかもショップを訪れてくれるお客さんも、かなりの率でその「いま一番ホットなカード」を目当てにやってきますので、店としてはなんとしてもその「ホットなカード」を品切れにさせない努力が必要となります。
極端な話をしますと、100%確実に売れることがわかっているカードなら、売値の9割以上の値段を払って仕入れてもOKですよ。儲けが1割しかありませんが、それでも絶対に儲かるんだし。店の信用を作るのが目的として考えれば売値の10割、すなわち儲けがゼロでも「店にとってはプラス」ですね。メルカディアンマスクス時代の「リシャーダの港」などで実際にあった話です。
買取価格を見れば、その店がどのような方針でシングルを扱っているかがわかります。
『買取価格を見ればその店の「マジック」の理解度がわかる』と言われるほどです。
とにかく安く買い取って安売りする店、高い金を出してでも在庫を常に充実させようとする店、トーナメント・プレイヤーを囲い込んで次の流行をいち早く抑えようとする店……いろいろです。
さて、これでシングルカードの値段が決まるのですが、この方法で値段が決まるのは基本的にレアのみです。アンコモンとコモンはまた別の方向から値段が決まっていきます。
特にコモンは、ショップの本音としては「本当はやりたくないが、客へのサービスとして取り扱い」とするのが事実でしょう。ぶっちゃけた話、コモンは1枚20円で売ってもほとんど赤字みたいなもんです。経費がかかりすぎて儲けになりません。
ま、でもそのへんはあまり面白い話でも無いので、また別の機会に。
コモン関係でいいネタが入った、もしくは他に書けるネタが尽きたらまた引っ張りだしてくるとします。
では、今回はこの辺で。
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(先週のクイズの回答)
【問題】
1つのフェイズ中に、マナ・バーンを2回以上起こすことは可能か?
可能ならその一例を。
【条件】
ヴィンテージ環境。
そもそもマナ・バーンは「フェイズ」が変わる際にマナがマナプールに残っていると起こるものなので、そのマナ・バーンによって引き起こされる「ライフの損失」によって更にマナが発生するという現象を起こせばOK。よって回答は、
1) 《Lich (a, b, UN)》もしくは《Lich’s Tomb/死者の墳墓 (DST)》をコントロールした状態で、マナ・バーンを起こす。
2) ライフの損失によってパーマネントの生贄を要求されるので、《Su-chi (AQ)》《Cathodion/陰極器 (US, MRD)》《Myr Moonvessel/マイアの月帯び (DST)》のいずれかのパーマネントを生贄に捧げる。
となります。
ちなみに前回も書いたように、この問題は某マーク・ローズウォーター氏が日本のとあるイベント会場で出したものなのですが、その時点ではまだミラディン・ブロックが出てなかったためヴィンテージでのみ可能だったのですが……いまだとエクステンデッド、さらにミラディン・ブロック構築でも可能ですね。あーあ、気付いてたら「ミラディン・ブロック構築」で問題出したのに。
ご指摘感謝ですよー。
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