ちょっとお休みが貰えたので、ちょっと海外な空気を満喫してきました。
先週はその辺の事情もあって早めの更新だったので、結構なご無沙汰と相成りました次第です。
 
 
あ、そういえば先週のテキストがちょっとアレな書き方したので、何件か「あれはマズいんじゃない?」というご心配(&一件、警告じみたモノ)を頂きましたが、あれは別に平気です。Wizards社から正規の手段で入手したものですから。流出品でもフライング販売でもありません。Wizardsが「これ、どーぞ」を言ってくれたモノです。もちろんコレを販売したり、オークションに横流ししたりしたら大目玉でしょうが、別に無償での譲渡や開封についてはとやかく言われる問題ではないでしょう。だって貰ったものですし。
 
ヒントは「通常、プレリリース・トーナメントは発売日の2週間前」と「基本セットにプレリリースは無い」です。
第十版のリリース日が金曜日で、リリース・トーナメントがその翌日土曜日だということを考えれば、大会開催に必要な物資がいつごろ届くのかを考えるのはそれほど難しくないでしょうし、大会開催報酬がなんなのかもそんなに考えなくてもわかるのではないでしょうか。
 
ま、それでも「絶対通報してやるうッ」と考えている方がおられましたら、是非その連絡のついでに「初心者講習用のセットが、10版の解説書と9版の構築済みというのは、いくらなんでも舐めてるんじゃないっすか?」とWizards様にお伝えいただければ幸いです。絶対に梱包ミスかと思ったら、内容物一覧のとこにも「9th Edition PreCon Deck」なんて書いてて、あんぐりでしたよ。360度どっからみても在庫処分というのは良く無いと思うの。
 
 
 
 
 
さて。
 
ちょっとしばらくは「イカサマ」関係の話を続けていこうと思ってたのですが、ちょびっと事情が変わりまして、しばらく延期することに。あ、別にコレも上からなにか言われたわけではないのですが、まぁ時期的な問題もあって空気読んだだけです。まぁ、そのうちまた書きます。
 
 
 
 
まぁ、そんなわけでちょっとネタに困ったので、今回もまた十版の話でお茶でも濁します。
 
皆様すでに知っての通り、第十版は黒枠となってますが、これは実に賛否両論の様子。ま、新しいプレイヤーの皆様にはおおむね好評のようですが、古いプレイヤー、そして特にディーラー間では渋い顔が多いです。……なんて書きますと、当然「古い黒枠のカードの価値が下がるからだろ」と思われると思いますが、じつはポイントはそこじゃないんです。実際、すでにベータの時代から枠の形状すら変わっているワケですし、いまさら基本セットが黒枠になってもベータの価値はビクともしませんから。
 
ディーラー&一部のプレイヤーがこの「黒枠」を問題視しているのは、ひとえに「Wizardsが自分で作ったルールを破った」からに他なりません。たしかにマジックというゲームは「例外」が多数存在してきたゲームではありますが、今回の「黒枠」というのはその中でもかなり根幹にかかわるルールであったハズなんです。
 
「黒枠は初版のみ。再販は白枠」というルールがあったからこそ英語版のクロニクルは白枠となった訳ですし、日本語版では事実上の「初版」であったために黒枠となった日本語クロニクルが人気となった理由もそこにあります。また最近の話では、第9版の発売時に新たにロシア語での販売が開始され、その「黒枠」のロシア語版が世界的に人気となったというのもあります。「もしも」の話などしてもどうしようもないことはわかっておりますが、第10版で黒枠となることがわかっていたのなら、ロシア語版があれほど人気とならなかったことは明白です。中にはもちろん「言語」に惹かれた(キリル文字は見た目もユニークですし、ね)方も多いでしょうが、大抵のプレイヤーが興味を示したのは、恐らくもう二度と(あっても数年後)入手機会がないであろう新らしいデザインの、黒枠の基本カードであったことでしょう。実際、海外のオークションで売れていたのも「トーナメントで実用的なカード」と「そのイラストでは黒枠が存在しないカード」が殆どでした。私の知り合いにも、ロシア語第9版でペインランドを揃えていたマニアなお方が居ましたが、第10版が黒枠としって大層ガッカリしておりました。
 
 
 
ところで皆様もご存知でしょうが、Wizards社には「リプリント・ポリシー」というものがあります。
これは過去(メルカディアンマスクス以前)に発売されたカードで、あまりに強い or 弱い or そもそも意味が無いカードなどで構成されているリストで、Wizards社が公式に「このリストにあるカードと、このリストにあるカードと全く同じ機能をもつカードは、二度とセットに含めない」と約束しているものです。
 
…ま、このリストについての詳しい話は公式サイトでも見てください。公式に書かれていることを、全くそのままお話するのも芸がないし、そもそも書くほうにとっても読むほうにとっても、時間のムダでしょう。
http://www.wizards.com/default.asp?x=sideboard/jpinfo/20020808a&;;tablesort=2
 
 
 
 
 
ちなみにこのリストについてはよく誤解されてますが、これは別に「2度と印刷しないカードリスト」ではありません。このリストにあるカードがジャッジプロモなどで再販されるたびに、東海北陸地方にある某所から「リプリントポリシーうんぬん」という電磁波がビビビと漂いますが、ジャッジプロモは「セット」ではないので、このリプリントポリシーには違反しません。というか、そもそもリプリントポリシーには「フォイル仕様ではないトーナメント使用可能なカードのみに適用される」と書いてたりしますしね。
 
さらによく誤解されているのは、このリストが「二度とゲームを壊すカードを作らない」ためにあるという解釈です。大ハズレな上に、的外れでもあります。このリストが存在する理由はポリシーの中にはっきりと書かれているように「コレクターを守るため」です。古いカードの価値を守り、それを保証するのが本来の目的です。
 
 
 
 
 
で、そろそろ話を主流に戻します。
 
この「リプリント・ポリシー」ですが、実は一度改定されています。一度はWizards社が「このリストのカードは二度と再販しない。このリストに入っていないカードは、再販の可能性がある」と正式に保証したのにも関わらず、そのリストが後に「変更」されたという事実が、確かに存在しています。私は、これは大変怖いことだと思っています。正式に「保証」されたものが後に「変更」されるのなら、いま現在あるリストについてもまた「変更」される可能性が無いなどと、誰が言い切れるでしょう? 幸いこのリストは、一度の改定後には長らくそのままで、現在でも有効となっておりますが、これがいつまで続くかはわかりません。過去にソレをした実績がありますから。
 
そして、第十版では「黒枠は初版のカードのみ」というルールが破られました。
これは別に、正式に約束されていたことでは無いにせよ、コレクターに与える影響は決して小さくないと思われます。
 
 
 
コレクタブル・カードとしての側面をもつマジックには、様々な約束と「暗黙の了解」があります。
例えば、現在まで破られていない「暗黙の了解」の1つに、「最初に印刷されたのがレアだったカードは、その後再販されてもアンコモン以下にはならない」というのがあります。アンコモンからコモンへの格下げや、上位のレアリティへの格上げは頻繁に行われますが、最初にレアとして生まれたカードについてはその価値が保証されてきました。
 
たいへん余計な一言でした。全く持って確認不足。誠に申し訳ないです m(_ _)m
ご指摘いただいた皆様に感謝感謝

 
 
 
悲しいことですが、マジックのカードの「コレクター」は年々減少傾向にあります。
「コレクター」が減ると、ゲームではあまり使われないカードを欲しがる人がいなくなるので、トレードも活発に行われなくなります。皆が強いカードだけを欲しがるのでは、トレードはすぐに行き詰りますから。
 
 
 
 
マジックの人気を維持するためには、「コレクター」は必須の存在であると思います。
 
Wizards社がもう少し、コレクターを大事にしてくれることを願ってやみません。

コメント

小野薫
小野薫
2007年7月13日14:34

《踊る円月刀/Dancing Scimitar》はアラビアンナイトでは(このセットに希少度レアは存在しませんが)アンコモン2、リバイズドでレアにそのあと6thまでレアでしたが9thでアンコモンに”格下げ”されました
また、《説得/Persuasion》も初出のオデッセイではレアでしたが、今回発売の10thではアンコモンに”格下げ”されています
すでに、、「最初に印刷されたのがレアだったカードは、その後再販されてもアンコモン以下にはならない」という「暗黙の了解」は破られているのではないでしょうか?

nophoto
Nightmare
2007年7月13日16:51

>、「最初に印刷されたのがレアだったカードは、その後再販されてもアンコモン以下にはならない」
揚げ足を取るようですが、
《臨機応変/Sleight of Mind》
もそうですね。
4th以前はレアでしたが、アイスエイジではアンコモンでした。

nophoto
通りすがり
2007年7月13日17:28

そんな了解があったとしたらポータル初出のウッドエルフはあまりに不憫では・・・。

nophoto
ニックネーム無し
2007年7月13日18:46

10版の説得もアンコで再録されましたね。

nophoto
777
2007年7月13日20:16

逆に《密林の猿人/Kird Ape》や《モグの狂信者/Mogg Fanatic》のように
レアリティが上がって帰ってくるのも何か複雑であります。
個人的にはタイムシフトでいろいろなカードが手に入れやすくなったりしたのも。
というか誰かうちに来てタイムシフト分のカード
全部屋根裏から発掘してくれないかなあ(全く関係ない)

nophoto
ニックネーム無し
2007年7月13日21:14

「アンコモン以下」ではなく
「アンコモン未満(=コモン)」の意なのだろうか?

それにしてもウッドエルフの例があるしな…

零
2007年7月14日3:02

いやはや、大変お恥ずかしいです。
ご指摘いただいた皆様に感謝。本文はいま修正しました。

>小野薫さん
Dancing Scimitarについては「最初はアンコモンだから、一応例外は破られてないかなあ」程度に思っていたのですが、Persuasionについては、完全に見落としてました。今はコレがアンコモンなんですねえ…

>Nightmareさん
…そういえば、確かにアイスエイジに入ってました。
ミラージュから10thへ再録された「Mind Bend」ばっかりが頭にあって、本家のほうを忘れてました…

>通りすがりさん
ソレが、今回最大のミスだと思ってます。ご指摘誠に感謝。
Wood Elvesって、ポータルではれっきとした「レア」でしたね。そもそも初出がポータルということすら忘れてました。

>ニックネーム無しさん
いえ、「以下」「未満」の間違いではなく、単純に勘違いでした。お恥ずかしい限りです。

>777さん
レアリティがあがる分には、けっこう「許せる」という意見も多いのですよ。おそらくみんな「自分が持ってる過去のカードの価値があがった」気分になるのかと思います。
ただ、気分的にはとてもフクザツなのは同意です。第五版でPower Sinkがアンコモンになったときは、悪い冗談かと思いましたし。

nophoto
ななし
2007年7月17日22:39

タイムシフトやレアリティアップは確かに複雑ですね。
なんで価値の低いころにしっかり持っとかなかったんだ、と後悔したり、
このカード沢山持っててよかったと思ったり。
関係ありませんが、時のらせん発売前にアクローマ交換に出してて再録を知った時は深く後悔しました。
零

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

この日記について

日記内を検索