GPのディーラー席のお話・1
2007年7月24日コメント (2)金曜日。
パソコンの調子が悪かったのでちょこちょこといじっておりましたら、ブラウザに保存されてたクッキー情報が消し飛びました。えーと、具体的に言うとdiarynoteのログイン名とパスが ○| ̄|_
自宅のメールクライアントには当然それらは保存されているのですが、出先からではどーすることもできず、結局先週末は開き直って大変のんびり遊び呆けました。あーあ、せっかくいままで「なんとなく週1」更新できてたのに。
ま、いっか。適当にがんばります。
さて。
マジックの代理店がタカラに代わって早3年が経とうとしていますが、私はこの代理店の変更には諸手をあげての大賛成でした。たしかにHJ社は数々の雑誌媒体も持ち、特にRPGマガジン→ゲームぎゃざでの扱い、またデュエリストジャパン誌などで、日本でのマジックの環境構築に多大な貢献をしたのは事実ではあるのですが……とにかくいろいろと杜撰なところが目立ったのもまた事実でしたので。特にディーラーとして、一般とは違った立場で接する機会を持つと……そりゃもう、ため息がでるほどに「なんなんだこの会社」と思うこともしばしば。とてもあの、世界にも認められるほどのすばらしいクォリティを持つホビー雑誌「HobbyJapan」の発行元とは思えず、なんかもう色々残念で涙涙でした。
今回はそんなHJ社絡みのお話の中でも、皆様にも比較的興味を持ってもらえそうな、プレミアイベント会場の「ディーラーブース」についてのお話をいたします。
■ディーラー席ができるまで
そもそも、1999年に横浜で行われた世界選手権の会場では、まだ有料の一般ディーラー席はありませんでした。会場では、世界各国から(と言っても、ほとんどアメリカからでしたが)集まったディーラーが、好き好きにフリースペースにバインダーを並べ、現金で販売をしておりました。その中には、現在はプレイヤーとしてもアレックス・シュバルツマン氏や、昔の世代のプレイヤーには伝説級の人物であるマーク・ジャスティス氏の姿もありました。
その後、そのディーラー席の人気(ディーラー側からも、プレイヤー側からも)に後押しされる形で、各地で行われるグランプリでもディーラー席が設けられるようになりました。最初に設けられたのがどこであったかは失念しましたが、2000年のグランプリ札幌の時点ではすでにディーラー席が存在しています。99年のグランプリ京都にもディーラー席があったという情報もありますが、残念ながらこちらについては「料金を徴収した正規のディーラー席」だったのかどうかは不明です。
当初のディーラー席の料金は、1テーブル5000円程度だったらしい(スイマセン未確認情報っす。先に謝っちゃう)のですが、それはその後値上がりし、すぐに1テーブルあたり1日3万円(GPは土日の2日間なので、実質6万円)が定額となりました。ちなみに金曜日の準備日は最初は無料or格安だったのですが、すぐにこちらも3万円に値上げされました。…ま、たいていのディーラーは金曜日は無視してましたけどね。
■ディーラー席の廃止
ディーラー席は、02年の9月に行われたグランプリ宇都宮で突如として廃止されました。
廃止の連絡がディーラーに伝えられたのは、なんとグランプリ開催まで一ヶ月を切った時期(ここは資料がありますので正確に申し上げますと、通達があったのは9/24で、GP宇都宮開催は10/12〜13です)で、中にはもうすでに飛行機やホテルの予約をとってしまっていたディーラーもいたと聞きます。それまでの通例として、各ディーラーはGP開催の1ヶ月ほど前までに「希望するテーブル数」を添えて申し込みをしなくてはならなかったのですが、それらの連絡やメールの問い合わせにもまったく返答をせず、GP開催の3週間前になっての突然の一方的に通達を送りつけてきたHJ社の対応は、たいへんその企業姿勢に不信感を抱かせるものであったのと同時に「あー、さすがHJ社だ」と、なんか妙に納得させられたものでした。実際それまでも、申し込みの締め切りには大変「厳しい」のですが、申し込み後の連絡のスピードは大変「ゆるやかな」ものでしたから。
この突然の廃止は、ディーラーはもちろん、プレイヤーにも大変不評となり、(そのせいかどうかは知ったこっちゃありませんが)この後しばらくはグランプリの集客数を大幅減を続けました。当時グランプリは、日本ではまだ流通の少ないフォイルプロモや絶版カードを直接自分の目で見て購入できる貴重な場として、ディーラーブースのみを目当てにGPに訪れる人が少なくなかったのです。
ちなみにGP宇都宮の直前には、当時日本の公式サイトに設置してあったBBSにコレクターやプレイヤーからの苦情が書き込まれ、それがHJ社によって削除されるというイタチゴッコの光景がしばしば見受けられ、ただでさえ混沌としていたHJ・BBSが更にハードなカオスな様相となっておりました。
なお、より正確に事実を伝えますと、じつは一般ディーラー席が「廃止」となったのはこのGP宇都宮ではありません。このときの連絡ではまだ「GP宇都宮では、会場設備の都合上、シングルカードコーナーを設置しない」という、非常に煮え切らない内容となっておりました。各ディーラーに、正式に「廃止する」という連絡が入ったのは、その次のGP広島(2003年1月)の時点となります。ちなみにそのときは「GP広島では、シングルカードコーナーは弊社で設置する。今後も一般募集は行わない」という内容の連絡が送られたようです。
ディラー席廃止の理由についてはいろいろ囁かれてましたが、プレミアイベントでのシングルカードの安売りが、同社のパックの販売数が打撃を与えていたのは恐らく事実でしょう。またその頃同社は、系列店であるカードショップ「ワイバーン」でシングルカードも取り扱っていたので、そちらの売り上げを気にしたのかもしれません。
話はそれますが、私の知る限り、1つの国や地域を任されているマジックの総代理店が、自らの傘下で「シングルカード」の販売をしていたのは、日本だけ(現在タカラトミー傘下ではそれは行われていないので、事実上HJ社のみ)であると思われます。Wizards社が直営していたゲームセンター(過去に世界選手権が行われていた場所)でも、チェーン展開をしていたWizards of the Coastストアでも、自社の資本でシングルカードを取り扱っていたという事実は聞き及びません。
そもそも総代理店は、その地区のパック&ボックスの流通を任されている立場にあるのですから……ま、そこにイヤーな裏事情が潜んでるとは思いたくないものですが、プレイヤーから見て「自分の会社で流通させているパックの中身を販売する」といった行動は、ちょっとイヤな空気を感じさせるものでした。実際の話をすると、HJ社はカードの生産には関わってないので、高額カードだけを「仕入れ」ることは不可能ですし、パックの価格の決定権もなかったので、自社系列に「格安」で卸すこともできなかったハズなのですが……ま、そういった余計な疑いを招く恐れがある行動は慎むべきだったんじゃないかなーとは思います。
ちょっと話が長くなってきたので、この話は次回に続きます。
パソコンの調子が悪かったのでちょこちょこといじっておりましたら、ブラウザに保存されてたクッキー情報が消し飛びました。えーと、具体的に言うとdiarynoteのログイン名とパスが ○| ̄|_
自宅のメールクライアントには当然それらは保存されているのですが、出先からではどーすることもできず、結局先週末は開き直って大変のんびり遊び呆けました。あーあ、せっかくいままで「なんとなく週1」更新できてたのに。
ま、いっか。適当にがんばります。
さて。
マジックの代理店がタカラに代わって早3年が経とうとしていますが、私はこの代理店の変更には諸手をあげての大賛成でした。たしかにHJ社は数々の雑誌媒体も持ち、特にRPGマガジン→ゲームぎゃざでの扱い、またデュエリストジャパン誌などで、日本でのマジックの環境構築に多大な貢献をしたのは事実ではあるのですが……とにかくいろいろと杜撰なところが目立ったのもまた事実でしたので。特にディーラーとして、一般とは違った立場で接する機会を持つと……そりゃもう、ため息がでるほどに「なんなんだこの会社」と思うこともしばしば。とてもあの、世界にも認められるほどのすばらしいクォリティを持つホビー雑誌「HobbyJapan」の発行元とは思えず、なんかもう色々残念で涙涙でした。
今回はそんなHJ社絡みのお話の中でも、皆様にも比較的興味を持ってもらえそうな、プレミアイベント会場の「ディーラーブース」についてのお話をいたします。
■ディーラー席ができるまで
そもそも、1999年に横浜で行われた世界選手権の会場では、まだ有料の一般ディーラー席はありませんでした。会場では、世界各国から(と言っても、ほとんどアメリカからでしたが)集まったディーラーが、好き好きにフリースペースにバインダーを並べ、現金で販売をしておりました。その中には、現在はプレイヤーとしてもアレックス・シュバルツマン氏や、昔の世代のプレイヤーには伝説級の人物であるマーク・ジャスティス氏の姿もありました。
その後、そのディーラー席の人気(ディーラー側からも、プレイヤー側からも)に後押しされる形で、各地で行われるグランプリでもディーラー席が設けられるようになりました。最初に設けられたのがどこであったかは失念しましたが、2000年のグランプリ札幌の時点ではすでにディーラー席が存在しています。99年のグランプリ京都にもディーラー席があったという情報もありますが、残念ながらこちらについては「料金を徴収した正規のディーラー席」だったのかどうかは不明です。
当初のディーラー席の料金は、1テーブル5000円程度だったらしい(スイマセン未確認情報っす。先に謝っちゃう)のですが、それはその後値上がりし、すぐに1テーブルあたり1日3万円(GPは土日の2日間なので、実質6万円)が定額となりました。ちなみに金曜日の準備日は最初は無料or格安だったのですが、すぐにこちらも3万円に値上げされました。…ま、たいていのディーラーは金曜日は無視してましたけどね。
■ディーラー席の廃止
ディーラー席は、02年の9月に行われたグランプリ宇都宮で突如として廃止されました。
廃止の連絡がディーラーに伝えられたのは、なんとグランプリ開催まで一ヶ月を切った時期(ここは資料がありますので正確に申し上げますと、通達があったのは9/24で、GP宇都宮開催は10/12〜13です)で、中にはもうすでに飛行機やホテルの予約をとってしまっていたディーラーもいたと聞きます。それまでの通例として、各ディーラーはGP開催の1ヶ月ほど前までに「希望するテーブル数」を添えて申し込みをしなくてはならなかったのですが、それらの連絡やメールの問い合わせにもまったく返答をせず、GP開催の3週間前になっての突然の一方的に通達を送りつけてきたHJ社の対応は、たいへんその企業姿勢に不信感を抱かせるものであったのと同時に「あー、さすがHJ社だ」と、なんか妙に納得させられたものでした。実際それまでも、申し込みの締め切りには大変「厳しい」のですが、申し込み後の連絡のスピードは大変「ゆるやかな」ものでしたから。
この突然の廃止は、ディーラーはもちろん、プレイヤーにも大変不評となり、(そのせいかどうかは知ったこっちゃありませんが)この後しばらくはグランプリの集客数を大幅減を続けました。当時グランプリは、日本ではまだ流通の少ないフォイルプロモや絶版カードを直接自分の目で見て購入できる貴重な場として、ディーラーブースのみを目当てにGPに訪れる人が少なくなかったのです。
ちなみにGP宇都宮の直前には、当時日本の公式サイトに設置してあったBBSにコレクターやプレイヤーからの苦情が書き込まれ、それがHJ社によって削除されるというイタチゴッコの光景がしばしば見受けられ、ただでさえ混沌としていたHJ・BBSが更にハードなカオスな様相となっておりました。
なお、より正確に事実を伝えますと、じつは一般ディーラー席が「廃止」となったのはこのGP宇都宮ではありません。このときの連絡ではまだ「GP宇都宮では、会場設備の都合上、シングルカードコーナーを設置しない」という、非常に煮え切らない内容となっておりました。各ディーラーに、正式に「廃止する」という連絡が入ったのは、その次のGP広島(2003年1月)の時点となります。ちなみにそのときは「GP広島では、シングルカードコーナーは弊社で設置する。今後も一般募集は行わない」という内容の連絡が送られたようです。
ディラー席廃止の理由についてはいろいろ囁かれてましたが、プレミアイベントでのシングルカードの安売りが、同社のパックの販売数が打撃を与えていたのは恐らく事実でしょう。またその頃同社は、系列店であるカードショップ「ワイバーン」でシングルカードも取り扱っていたので、そちらの売り上げを気にしたのかもしれません。
話はそれますが、私の知る限り、1つの国や地域を任されているマジックの総代理店が、自らの傘下で「シングルカード」の販売をしていたのは、日本だけ(現在タカラトミー傘下ではそれは行われていないので、事実上HJ社のみ)であると思われます。Wizards社が直営していたゲームセンター(過去に世界選手権が行われていた場所)でも、チェーン展開をしていたWizards of the Coastストアでも、自社の資本でシングルカードを取り扱っていたという事実は聞き及びません。
そもそも総代理店は、その地区のパック&ボックスの流通を任されている立場にあるのですから……ま、そこにイヤーな裏事情が潜んでるとは思いたくないものですが、プレイヤーから見て「自分の会社で流通させているパックの中身を販売する」といった行動は、ちょっとイヤな空気を感じさせるものでした。実際の話をすると、HJ社はカードの生産には関わってないので、高額カードだけを「仕入れ」ることは不可能ですし、パックの価格の決定権もなかったので、自社系列に「格安」で卸すこともできなかったハズなのですが……ま、そういった余計な疑いを招く恐れがある行動は慎むべきだったんじゃないかなーとは思います。
ちょっと話が長くなってきたので、この話は次回に続きます。
コメント
また、GP広島以降の募集停止は、地元のショップから突き上げがあったので、GPは地元のショップに出店してもらう為だったかと。
まぁ、今となっては証明のしようもありませんが。
でも、個人的には海外ディーラー出店は僕にとっても地元では手に入れることのできないプレミアカードを手に入れるチャンスだったので、なくなったことは残念でしたけど。
さてさて、宇都宮の件についてですが、そのような話も確かに聞き及んでおりました。また、その1つ前のGP札幌が、あまりに採算が取れなさそうなので多くのディーラーが参加を見送り、あまりに寂しいディーラースペースとなったことも、運営側がディーラー席の撤廃を考えた一因にもなったかと思っております。
GP広島以降の話としては、本日アップ予定の原稿のほうにも書きましたが……たしかに地元ショップとの兼ね合いで廃止となったとの話しはありましたが、結果として「一般ディーラー席」の廃止が、本当に地元ショップの希望にかなう形になったのかについては、やっぱりちょっとギモンが残るとこです。
私の個人的な思いとしては、GPにディーラー参加できなくなって、マジック界の著名人・有名人の皆様と話をする機会が減ったのが大変残念です。立場が違うところでマジックに深く関わっている人と話すのは、とても楽しいものでした。