さてさて、前回の続きです。
 
 
■廃止に関するうやむや話
 
ディーラー席の撤廃が参加希望届けを出したディーラーに伝えられた後、ウェブサイトを持つディーラー達は次々に「GP宇都宮、不参加のお知らせ」をサイトに掲載しました。
 
中には露骨に「閉め出されました」的なニュアンスを漂わせたところもありますが、
 
当時のGP参加ディーラーは外国人(アメリカ、イギリス、シンガポール、マレーシア)が殆どを占め、日本の「プロのディーラー」はほんの数人しか居なかったのですが、その中の一人であるMNのA氏がサイトに掲載した一文には、じつに秀逸な皮肉と、ディーラーの心情が込められた名文でありました。
実際、この頃すでにディーラーの間では、グランプリの集客率の低下と、際限なく増やされ続けるディーラー席の数、そしてそのバランスが取れてるとは言えない出店料金のため、すでにほとんど儲けが出ないモノと考えられていました。……まぁ、初期の頃の「1日の売り上げ数百万円」といった数字が、異常と言っちゃ異常なんですけどね。
 
ちなみに、恐らく一番売り上げが立ったのは2000年のGP京都(当時のGP集客人数の最高記録を更新)だったと思います。そのときには、初日の売り上げが150万を越えたディーラーが、少なくとも3〜4店ありました。往復の飛行機代として十数万円、2日間のGP参加のための滞在費としてホテル4〜5日分、そして食費やバイト代などのその他経費を差し引いても……まぁ、1週間くらいつぶして日本くんだりまでくる理由には十分なるでしょう。
 
 
 
…えー、話が反れました。
 
まぁ、その日本人ディーラーが出したコメントというか声明が、全てを物語っておりました。
「もう、どうでもいい」。ディーラーにそう言わせるだけほど、この当時のGP会場ではトラブル続きだったんです。



毎回のように多発する、盗難事件。

最初こそ、カードバインダーからこっそり高額カードをくすねていく程度だったのが、段々と手口も大胆になり、バインダーを抱えてダッシュで逃げる(GP横浜。パワーナイン10数枚やられたそーです)という、あまりに同情を禁じえない目にあったディーラーもおりました。
GP仙台(2001年)では、遂にディーラーが現場を押さえ、警備員に通報するといった光景もあったのですが……まぁ、その日本人ディーラー(前述のA氏にあらず。自称「ぼくがイエサブの値段を決めている」とのたまう、うさんくさい人物でした)のパーソナリティの問題でもあるのでしょうが、声高々に「はやく、はやくきてーー!!」と叫ぶ姿は、会場のみんなをゲンナリさせるのに十分なエフェクトがありました。ちなみに彼は、某プロプレイヤーのA氏に雇われた店番だったのですが、事後にA氏に誇らしげに「捕まえてやったゼ!」と報告し、A氏に「……ふーん」と返されていたのが、とてもとても印象的でした。


あと他にも。
 
 
・「くじびき」と称して、サイコロを用いた「1等があたる確率が、1/7000以下」のクジをやる輩
 
・なんのカンチガイか知らんが、わざわざ高校の制服を着て店番をしていた女性スタッフ(日本人のアマチュア・ディーラーで、GPの常連だったため、わざわざ着替えてきたのがミエミエ)
 
・客と喧嘩を始めるディーラー
 
 
…など、大変「イタイ」ディーラーが増えたのも、まぁ皆に「もういいや」と思わせる一因となったと推測します。案外コレが、HJがディーラー席の廃止を考えた理由に入っていたとしても、別に全然不思議じゃないです。
 
 
 
■いろいろな後日談
 
えー。
前回の記事にいただいたコメントにもあったのですが、ディーラー席の廃止に「地元ショップからの苦情」があったというのは、ほぼ事実のようです。
 
実際地元ショップとしては、その時期にはみんな店には来なくなるし、しかも安い値段でシングルが買えてしまうために前後の売り上げも落ちる……と、GPがあることはじつにウレシクナイ状態であったことは想像に難くありません。ショップの中には、開催期には思い切って店を閉め、アーティストや仕入れ(トレード)目当てで参加するといった経営者も居たほど。
 
 
で、地元ショップからの突き上げが功を奏し、めでたく廃止が決まった「一般ディーラー席」。廃止後はHJ社が選んだ「公認」ディーラーがショップをだして、試合当日のシングルカード調達に貢献していましたが……どうしてか、その後のGPで「公認」ディーラーとしてスペースをもったのは、なぜか全国チェーン展開をしているショップばかりであったように思えます。結果として、地元の個人ショップにも参加者にも、あんまりありがたくない結果となってしまったようなのが、個人的にはとても残念。どうもHJ社の運営方針は、小規模な個人ショップにきつかったように思えるのは……なんでなんだろ?
 
 
 
■HJ社の運営うんぬん
 
ところで、HJ社管理下のプレミアイベント運営についてですが……個人的な感想を述べると「常に打ち合わせ不足」と言ったところでした。当時、HJ社でイベントの責任者でありましたA氏(今回、イニシャルAさん多いなぁ)は……まぁ、紳士的で良い人ではあったのですが……少々物事をはっきりとしないところがあり、また大事なところで前言を翻すこともあったため、「彼の言葉を鵜呑みにして行動するとイタイめにあう」こともあったりなかったり。実際、イベントのテーブル配置や参加の可否などで揉め事になることも多く、そのため土曜&日曜のイベントの際には、必ず金曜日に会場の下見をして、しっかりと確認を取らないと……当日のテーブル取り(抽選で、当たりくじを引いた人から順番に場所取り)でヒドい目にあうこともあり、なかなかギャンブルでした。1番クジを引いたのに、目の前に行列ができてあっぷあっぷしたり、ね。
 
 
 
…ま、ここまでひどいことを書いてますが、個人的にはHJ社の運営スタッフの皆さん(極一部除く)には大変良くしていただき、感謝もしております。が、やはり色々なところで不備が目立ったのも事実で、それらはWizards社が直接主催する「プロツアー」や「世界選手権」で、如実に現れてしまっておりました。
 
 
 
プロツアーの会場だと、盗難被害が少ないんです。
じつに引き締まった、良い空気でした。
 
 
 
 
 
さて。
誠にアレながら、8月はちょっとパソコンがない環境にゴーしなくてはならないため、来週の更新のあと、2週ほどお休みする予定。

ま、たいして期待もされてないでしょうが、戻ってきたらまた読んでくれると嬉しく思います。
ではでは。

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