来週から、少々オヤスミいたします。
パソコンがない環境になってしまうため、いたしかたなく。早ければ2週間くらいで戻ります。
 
 
 
さて今回は、ちょっとアレなお話でもいたします。
インターネット取引での詐欺の歴史。
 
 
 
■ネット取引と詐欺はじめ
 
インターネット普及の黎明期。
世界中の様々なデッキの情報が一堂に集まる「Magic DOJO」と、様々なニュース&ゴシップがどっぷり集まる「MTG NEWS」は、世界中のプレイヤーとコレクターが集まる拠点でした。
 
で、そーすると「ネットでトレードをしよう!」というアイデアも、当然のように沸いてきます。
それまで「トレード」と言えば、知り合いとするか、地元ショップでの仲間とするくらい。頑張ってる人でも、近くの町で行われるトーナメントでトレードするくらい。当然、それぞれのカードの価値には、多分に「地元メタ」が含まれております。
 
…世界中とつながっているインターネットでは、じつに美味しいトレードができたのです。
自分の地域で「ゴミ」と扱われているカードが、「神」に変わるなんて良くある話。わたしも当時はよく、日本語版のエラーカードで、絶版レアの大物一本釣りなどを嗜んでいたものです。じつに美味しい。
 
 
しかし、そういう取引が行われ始めると、当然「詐欺」も横行します。
相手の素性もわからないBBS。そこでのやり取りだけでカードを送りあうので、そりゃもう不安MAXです。美味しい取引に見合うだけのハイリスクがやっぱりあったんです。いいことばかりじゃないですね。
 
その頃の「詐欺から自衛手段」として一般的だった方法は「ref」と呼ばれるリストでした。
「ref」とは、それまでに自分が取引をした、取引相手のメールアドレスをリスト化したもの。新しい相手と取引をするときには、「お前のrefを送ってくれ」と確認し合い、refが少ないほうが先送り、もしくはrefが多いほうが取引を主導して方法を決める、といった具合です。
もちろん、相手が送ってきた「ref」が真実とは限らないので、確認するのは当然。その確認方法とは、refリストの中からランダムに選んだ数人に「○○というヤツと取引するんだけど、こいつ信用できる?」とメールをするんです。いわば、見知らぬ他人に保証人になってもらうようなもの。私も何回かそういった取引をし、そして何回もその問い合わせメール(過去に取引した相手のrefに加えられたんでしょうなあ)も受け取ったものでした。
 
……1回、めんどくさかったので確認を怠ったら、見事に詐欺られたのも、今じゃいい思い出&教訓。
なんで、てきとーにやったときに限って地雷踏むんでしょうね orz
 
 
 
 
■現在の詐欺状況
 
話はいきなり飛んで、現在の詐欺のはなし。
 
いまや、ネットでの詐欺話なんてそこら中にあり、人々の警戒心も高まっているので草々に詐欺はできないように感じますが……そんなことは全然なく、やっぱりそこら中で被害者が続出してるのが現実。手口もどんどん新しくなっていますし、既存の「対策法」を詐欺に応用するようなモノまでありますから、まぁネット取引が存在する以上、詐欺はなくならないと言ってもいいと思います。
 
その中で、私が最近(と言っても、ここ2年くらいの間の話ですが)秀逸だな、と思った詐欺の手口を。
ターゲットは主に外国人、商品は「外国で人気がでそうなカード」、主戦場はeBayです。誰もが知ってるネットオークション。eBayはどちらかというと「詐欺が少ない」イメージのある、セキュリティの高めなフィールドなのですが、この詐欺はその隙間をついたようなもの。
 
eBayの「安心感」の基は、評価システムと保証サービス。とくに支払いをPayPalにした場合、万が一相手が商品を送らなかった場合、PayPalの方でも支払いをキャンセルできるので更に安心というわけです。
 
詐欺の手口はとても単純。
商品が落札されたら「なんでもいいから、とりあえず送っちゃう」んです。落札されたカードじゃなくてもいいから、とりあえずなんか送っちゃう。それも保険付きの便で。
 
じつはPayPalの保証規定は、かなり「代金受取人」のほうに有利といえる内容になっています。というか、あまり安易に返金をしないんです。この辺が「疑わしきは、カード所持者の利益に」とも言えるクレジットカードの保証規定とは大きく違います。PayPalは「相手が荷物を送らなかった」場合には比較的容易に返金に応じてくれますが、「荷物は送ってきたが、内容が購入したものと違った」となると……それは「当事者同士の話し合いで」となってしまいます。
 
もちろん全てが全てそうなるとは限りませんが、相手がしっかりと荷物を送り、その証拠(保険付きの便で発送してるので、追跡番号付きの発送の控えがある)まであるとなると、どちらの言い分も鵜呑みにはできなくなります。そのため、保証を受けるためにはどのへんが注文したものと違うかということをきちんと説明しなくてはならないのですが、これは英語に堪能ではない外国人にはタイヘン難しいところ。「PayPalがダメならeBayのほうに」と思っても、そちらでも条件は同じ。相手はトレーディングカードの素人ですので、素人にもわかるように英語で説明をするのは、じつに骨の折れる作業になります。
 
しかも、送ってきたカードが明らかに別物ならまだしも「けっこう出来の良いニセモノ」とかだと、事態はさらに泥沼に。ちょっと想像してもらえればわかるでしょうが、この状況、たとえ全てが日本語で交渉&説明できるとしても、かなりダルい状態です。相手はeBay、PayPalといった企業のカスタマーサービス。カードのことはど素人。そんなの相手に「本物のカードよりも印刷の状態が薄く〜〜」とか説明するの、私でもヤです。実にダルい。
 
 
 
そんなワケで、この種の詐欺は、少なくとも2年前には存在が確認できてるのですが、いまだに結構現役なようです。
なくならない理由の1つに、この詐欺の方法を逆にした「逆詐欺」が可能というのもあるようで。
 
 
 1) 通常通り取引する
 2) 「届いたものが違う!」とゴネる
 3) オークション会社を巻き込んで、盛大に揉める(←この部分は省略化)
 4) 「じゃあ、商品は返すので返金してくれ」と妥協案。
 5) 受け取ったカードと、全く別のカード(もしくはニセモノ)を送り返す。
 
 
ま、どっちもどっちですね。
たいへんセコい。でも効果的。
 
はっきり言って、どうしようもないんですよコレ。何度か繰り返せば「評価」がどんどん悪くなりますが、そうなったらまた別のアカウント取ればいいし。
 
 
 
 
海外との取引をすると、こういう水掛け論的な論争になったときにはどうしても不利になります。オークションで「落札」をするときには、せめて相手の評価ポイントが「1年程度では稼げない量」となっていることを最低条件にするのがいいとおもいます。で、「出品」はしない。相当語学に自信があるなら別ですが。

コメント

nophoto
通りすがり
2007年10月5日1:08

更新まだかなぁ♪

nophoto
ニックネーム無し
2007年10月6日20:14

現状の英語版が入ってこないらしい問題を書いて欲しいなぁ

零
2007年10月9日7:13

書いてみました。
うん、自分でも2ヶ月近くもサボるとは思わなかった orz
零

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