エイプリルフールは「なにもしない」というウソをかます事にしました。
普段からネタ人生万歳な私が「なにもしない」と、それはそれで警戒する友人などが居て、大変楽しいものであります。

さて、せっかくのエイプリルフールなので、本日はウソをつく事にいたします。

今まで一度も情報流出をしたことがないWizards of the Coast社ですが、中にはけっこうトンデモない情報も流れ出ちゃってます。一応整理しておきますと、情報の流出には「正しい情報」、「間違った情報」、「正しいけど、ボツになった情報」の3タイプがございます。正しい&間違った情報というのは白黒はっきりしてますが、「正しいけど、ボツになった情報」というのはちょっとクセモノ。その時点では「間違い」とも言えるのですが、そのような話があったのは事実なので「正しい」とも言えます。「次のセットにPsionic Blastが再録されるんだってよ!」って情報は、かなり長い間「間違い」な情報でしたが、時のらせん/Time Spiralにて事実になりましたし。

過去に私が見聞きした「ボツ情報が、後で事実となった」情報の例をあげると、フォイルの「City of Brass」ですかね。このうさんくさい情報は1999年にはもう「友達の友達の友達が実際にカードを見た!」というなんともありがちな信憑性と共にディーラー間では出回っていたのですが、実際にプロモとして配られたのは2001年。実に2年越しでした。
ボツ情報というのは、年月が経ってからまた蘇ってくる可能性があるので、その時点で「間違い」であっても、けっこう大事に持っておいたほうがいい情報です。しかし、それが実際に「正しい」ものになるまでは、「間違い」なのか「ボツ」なのかが、区別つかないところが問題とも言えますが。

さて。
こんな扱いにくい「ボツ情報(ひょっとするとタダのデマ)」ですが、場合によってはこれが確実に「ボツになった情報(本当にそういう話があって、ボツになった)」とわかるものがあります。まあようするに、WoC社から流出したという証拠があるネタです。WoC社は情報管理が優秀ですので、決して流出などしませんが。

わたしの手元にないカードを例としてあげますと……ああ、これは恐らくフォイルのカラーテストですね。枠の外に+1とか−1とか書いてあり、+のほうが色が濃いです。で、カードの背面には、なにやらごちゃごちゃと文字が書いてますね。「ME FST 6/9」とか書いてません。意味はよくわかりませんが、「6/9」ってのはテストの日付でしょうか? 他にも「ME Holo +2,+3 6/9」ってのも見たことがないので、恐らくこの「FST」というのは、Holoと対応してる別のなにかを表してるのでしょう。

…ま、このカード自体は特に意味を持たない落書きカードですが、こーいうカードが流れてきた情報源からの話は、それなりに信憑性がない情報とも言えます。だって、こんなウソカードを平気で流してくるんですから。

さてさて。
今日はエイプリルフール祭りに乗っただけの、予定外のウソ更新のため、あまり時間もありません。早く書き終えないと、祭りに乗り遅れるー。
そんなわけでサラリといきます。

カードのイラストが「ホログラム」仕様となっている、フォイルのテストカードを見たことがありません。3D加工がされており、正面から見るとイラストが飛び出して見えません。正直に申し上げまして、たいへんカッコEです。まるで30円くらいで売ってるお菓子の付録とは大違いです。…これが採用されなくて本当に残念と言わざるを得ませんが、いつの日かこれが採用される日が来ないとも言えません。

あんまり世間一般のプレイヤーには意識されておりませんが、現在フォイルカードのデザインは3種類(細かく言うと4種類)出ています。

 1) Wizardsの☆付き(星のトゲが直線)
 2) Wizardsの☆付き(星のトゲが曲線)
 3) Wizardsの☆無し
 4) フォイルが波目模様

(1)は最初のフォイルカードである「Lightning Dragon」限定です。今後見ることもないでしょう。
(2)は最初の通常フォイルです。フォイルの継ぎ目が頻繁あったのも特徴です。
(3)が現在の通常フォイル。特別に面白くもありません。
(4)はリリースプロモです。プレリリースじゃないよ。非常にマイナー。

(4)のリリースプロモは「神河救済/Betrayers of Kamigawa」から始まったものなので、とてもマイナーです。フォイル背景が波模様となっており、たいへん見やすいと評判ですが、今のところ変わる様子はありません。印刷されるカードがあまりにも強く、とてもデッキに入れずにはいられないのも特徴です。Hedge Trollとか、どーしたらいいんですか。

まあ、そのうち例のわんだほーなホログラムフォイルが出てくることを祈りつつ、今年の初ウソを終えようと思います。

正直者だからウソなんてついたことないです。
以前のエントリー(ジャッジうんぬん)の続きと言える内容なので、いきなりきちゃった方はまず前回のエントリーをどうぞ。「見たけど忘れた」という不届きな御方は、クラムチャウダーで顔洗って出直すといいざんす。



ある時期、ルールの不備によってものすごく簡単に無限コンボができ、1〜2ターンキルがあたりまえというデッキが登場しました。俗に「ヨーグモス・ドレイン」やら「ヨーグモス・リチュアル」と呼ばれるデッキです。

キーカードは「暗黒の儀式/Dark Ritual」と「ヨーグモスの意思/Yawgmoth’s Will」の2枚。
ウルザズ・サーガの時代ですね。時期としては1999年の4月前後。第6版の発売&ルールの変更が決まり、ルールについての見直しがされていた時期です。
なお補足いたしますと、当時のカードテキストは以下のような感じでした。

「暗黒の儀式/Dark Ritual」
マナソース
あなたのマナプールに黒黒黒を加える。


「ヨーグモスの意思/Yawgmoth’s Will」
ソーサリー

ターン終了時まで、あなたはあなたの墓地にあるカードを、あなたの手札にあるかのようにプレイしてもよい。 その代わり、このターンにあなたの墓地に置かれたカードは、ゲームから取り除かれる


当時は6版ルールが試行されていましたので「スタック」が完全に導入されていましたが、印刷されていたカードは「マナソース」のままでした。これは当然「インスタント」と読み替えることとなるのですが、このあたりの危険性が完全に認識されないままルール再整備が行われてしまった模様です。


このデッキの主な動きは…

■1ターン目:
・セット沼

■2ターン目:
・セット沼
・沼2つタップして(黒)(黒)をゲット。
・(黒)を使って「暗黒の儀式」。マナプールに(黒)(黒)(黒)(黒)。
・3マナを使い「ヨーグモスの意思」をプレイ。マナプールに(黒)残り。


…ここまでは正常です。問題はここから。

1) ヨーグモスの意思によって墓地にあるカードを、あなたの手札にあるかのようにプレイできるので、墓地に一枚だけある「暗黒の儀式」をプレイ。スタックに乗る。

2) スタックの1番上を解決 → 暗黒の儀式。(黒)(黒)(黒)をゲット。

3) 暗黒の儀式が墓地に置かれるので、「それをゲームから取り除く」がスタックに詰まれる。


…で、こっからが異次元。

4) そのスタックにレスポンスして、たったいま墓地に置かれた「暗黒の儀式(スタックが解決したらリムーブされる予定)」をプレイ。

5) 解決。(黒)(黒)(黒)をゲット。

6) (3) に戻る。

7) 666マナくらい貯まって満足したら、全てのスタックを解決。大量の「それをゲームから取り除く」が失敗するも、なにも起こらずそのまま続行。

8) おもむろにX火力。主に「生命吸収/Drain Life」。


終了。

3枚のカードがあるだけで勝てるので、ありったけのサーチ手段とマリガンを駆使すれば2〜3ターンで安定して人が死にます。テンペストブロックにMox DiamondとかLotus Petalなんていうたわけたアーティfuckトもあるので、1ターンキルもけっこう楽勝。


問題なのは、このものすごくウソくさい動きが、当時のルール下では完全に合法なんです。
ウルザブロック時期(タイミング的にはウルザズ・レガシーの時期)は、ちょうどカードの処理解決のプロセスが以前の「リンボ」「チェーン」という概念から現在の「スタック」に改定された時期にあたるのですが、その隙間をつくようにしてできたダッキが上のものです。あまりにも大きなルール改正だったため、カード効果の訂正に穴(具体的に言うと、ヨーグモスの意思のテキストがいけない。一瞬でも墓地に置いたら、それを取り除く前に再度使えちゃうんです)があったんですね。


ちなみにこの時期は毎月のようにオラクルが改正(第六版ルール対応に)されていたため、毎月のようにありえない効果を持つカードがトーナメントに登場した時期でもあります。

一例をあげると、The Abyssが対象を取らなくなったり(「対象を埋葬」だったかも)、修正されたかと思いきや今度はアーティファクト・クリーチャーまでも皆殺しにし始めたり、それはまさに地獄絵図。他のカードにしても、急に強くなったかと思えば、次の更新でまた弱く戻り、カードを手放した頃にまたちょっと強くなってたりと、大迷走してました。

「インタラプト」が「インスタント」に統合されたのもこの時期なので、カード効果に「インタラプト」の文字がある全てのカードは「強くなる」か「弱くなる」の2択となり、戦々恐々でもありました。ちなみにコレは結局「対象のインタラプト」と書かれたカードが殆ど強化されたのに対し、「インタラプトとして扱う」と書かれたカードは全て弱体化したと考えていいようです。そういえば、発売されたばかりの「Hidden Gibbons / 隠れたるテナガザル」が当時「カウンター対策になる!」と注目されかけたのが、いま走馬灯のように脳裏をよぎりました。あの頃は、みな誰もがある種の夢を見ていたものです。たいてい幻に終わりましたが。


「ボガーダンの金床」を握り締めて毎月ワクテカしてたのも、今はいい思い出(すげぇ弱くなりました)。
同人セットとトークン: その2
トークンのお話、第二回目。

WoC社が褒賞トークンを作る一因ともなったというのは前回もお話しましたが、このトークンに関連する逸話は、他にも以下のようなものがあります。

 ・同人セットのくせに、模造品まで作られた。
 ・同人セットのくせに、オークションにアーティストプルーフ(実際は裏が白いバージョンというだけ)が出品され、高値で落札。
 ・海外からディーラーが、わざわざこのカードを求めて来日。
 ・このトークンを店に並べてた海外ショップが、WoC社から警告を喰らった。


ちなみに前回から繰り返し出ております「WoC社が褒賞トークンを作る一因ともなった」という一文ですが、丸っきり推測というわけではなく、ちゃんとある程度の情報ソースがある話となっております。なんでも、例の褒賞トークンカードがまだ配布される前に、このCrazy Clowns製作者のもとに某極東アジアの島国でかつてLv3だったお偉いジャッジから、「非公式」な形で「今度公式のトークンカードが配布されるから」と情報が行ったとか行かなかったとか。これが情報リークにあたるのか当たらないのかは、某ジャッジに直接聞くといいんじゃないかな。日本語話せますし。

まぁいろいろとありえない同人トークンなんです。それがMinagishiトークン。
知っておいてソンはないですよ。得も多分無いけど。

さて、じゃあ続きを行って見ましょうか。
まともにマジックをしていく上ではまったく役に立ちませんが、これからトークンやら同人セットを作ろうと企んでるやんちゃ坊主には実のある話となると思いますよ。

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■カード名

カード名は単純に「Goblin Token」とか「Zombie Token」となっています。
微妙です。「Token」というのは通常「代用紙幣」とか「代用硬貨」と言った意味でして、いわゆるカジノのチップや、NYの地下鉄に乗る際のチケットなどに使われる言葉です。これを「カードでは無い形で、パーマネントとして場に残るもの」の名称として使うのは……どうなんでっしゃろ? 微妙です。

なおトークンの中にはマジック用語である「マイア」や「カルドラ」などもあり、Crazy Clownsではそれもトークンカード化してますが、名称はそれぞれ「Mトークン」「Kトークン」となっています。理由は推測にお任せです。

■カードテキスト

能力を持つもののみ書いてあります。「Flying」とか。

正直、これは著作権にひっかかるかどうかはビミョーでしょう。セーフのラインだとは思いますがね。
でもそれがマジックの専門用語になるとアウトになりそう。「Landcycling」とかヤバげ。そんな英単語ないし。

ちなみに「タップ」という言葉を「カードを横向きにする」という用途で使うと、それだけでアウトです。タップシンボルなんて使った日には、ダブルプレーです。

■フレイバーテキスト

Crazy Clownsトークンを、公式のカードと間違わせた要因・その2です。ちなみにその1はカードデザインです。どこにも書きませんでしたけど。

とても秀逸です。
シェイクスピアや聖書からの引用、そしてたまにジョーク。マジックのフレイバーとして、いかにも「ありそうな」チョイスとなっています。

しかし、


Nobody can get dream, because it’s wing of heart.

-Pegasus Fantasy

(ペガサストークンのフレイバーより引用)


これがわかる世代はもうおっさんですか。そうですか。

■カードバック(カード背面)

もっとも変化を遂げた部分です。
「ナニがOKで、ナニがダメ」というのを簡潔に表している部分でもあります。

当初、Crazy Clownsトークンの背面はただの真っ白でした。両面印刷はコストかかるしね。
ちなみにこのカードバックは合計で4回ほど変わっておりますが、それが偶然にも「最初は白、あとからイラスト付き」になったため、この発行枚数が少ない初期の「カードバックが白」のものは、あろうことか海外オークションで「アーティストプルーフ」として高値がついていたりします。私が実際に見たもので$30.00とか平気でついてました。ツッコミどころが多すぎて、どこからいけばいいものやら。

さて。
最初が白だったカードバックですが、それが第6弾となる2000年8月(夏、ですな)に発行されたバージョンから、背面にでっかい星マークと「Token」と書かれたものとなります。売れ行きが良くて予算ができたのですかね? それとも、この弾に含まれていた天使、コピーカード、リス、苗木トークンの4種類のうち、リスと苗木の2種は過去に販売されたものからの再録だったため、その差別化だったのかもしれません。
ま、ここまではOKでした。

問題となるのは第7弾。この弾から、カードバックが「Magic the Gathering Token Card」となりました。それまでも、トークン同梱の解説書にはMagicの名前が入ってましたが、この弾よりマジックの名前をカードそれ自身に入れちゃったんです。これがまずかったのでしょう。第10弾ではカードバックは再び白紙に戻り、第11段(それにしてもずいぶん出てるなあ)からは「Crazy Clowns」の文字と、同サークルのシンボルでもある道化師のイメージイラストとなりました。

ここから学べるのはとてもわかりやすい教訓。
「Magic the Gathering」の文字は入れちゃダメ。
入れるとすれば「この商品はMagic the GatheringおよびWizards of the Coast社が製造・配布したものではありません」という形ならOKです。これ、日本だとこの形で名前を出すのもクレームつくことがあるんですが、アメリカではOKなんです。へー。

■パワー&タフネス

ま、そもそも。
「カードの右下部分にパワー/タフネスがある」というそれ自体が、マジックのカードのデザインの一部です。「書いたらアウト」ではないかもしれない。でも「書かない」に越したことはないです。
デザインの各部分を「これでもかー」と言わんばかりにいじりまくったMiddle Agesも、結局販売禁止&回収命令が出ましたし、ね。

■訴訟

おっと、いきなりヘビーな話題。
ま、でもこれまで散々「ここがアウト」とか書いてきましたので、気になってる方も多いでしょう。

結論から言うと、このCrazy Clownsは訴訟沙汰にはなりませんでした。ただし、製作者のJさんのもとには「非公式」な形で警告が行ったそうです。そして平和的な話し合いの元、Jさんは「今後一切、マジックの著作権を侵害しているカードは販売しない」という条件の下で合意。過去に製作したすべてのトークンを含め販売を中止し、当時運営していたウェブサイト(まだ跡地はあるので、ヒマでヒマで仕方がないひとはぐぐればいいと思うの)からも画像をすべて撤廃しました。

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ちなみに、その後製作者Jさんはマジックにもトークンにも関わることはなくひっそりとマジック界から……消えたりは全然しませんでしたね。Jさん、まだとても精力的に活動を続けておられるようです。というか、ネット上でぽんぽん見かける名前ですので、知ってる人も多いんじゃないでしょうか。

トークンカードについてももう2度と製作しないかと思いきや、逆に「マジックの著作権を侵害しないカード」を目指して、改良に改良を加え、以前にも増したクオリティのカードを作り続けています。また、かつては「著作権違反のトークン作成」やそのスタンスのため「WoC社&Hobby Japan社から最も睨まれてる日本人」の1人であったのは間違いないと思うのですが、現在はすっかり改心(?)し、DCI公認ジャッジの資格まで取っちゃってます。

DCIの公認ジャッジ試験には「実技」と「面接」がありますので、話を聞いたとき「そりゃ絶対面接で落ちるだろー」と思ったのですが……WoC社も案外ココロが広いのかもしれません。
同人セットとトークン: その1
今回ご紹介しますのは、Wizards of the Coast(以下、いつもに習ってWoC)に「褒賞トークンカード」を作らせる原因ともなったと言われる、日本国内よりも海外での人気が凄まじい「Minagishi Token」です。

このトークンカードはいわゆるタダの同人モノであり、言ってしまえばマジックオタクの趣味のアイテムです。しかしながら、このトークンカードがマジックの世界に与えた影響は決して小さくありません。
なにせ、WoC社にオフィシャルのトークンカードを作らせる一因となったのもそうですが、また同時に同社に「マジックの版権を無断使用した同人モノ」を取り締まらせる一因ともなりましたから。
それほどの影響を与えるほど、この同人トークンの人気は大きかったワケです。


でも、このトークンを紹介する理由はそれだけではありません。
このCrazy Clownsのトークンシリーズは、「どのようにすれば、WoC社の著作権に引っかからずに同人モノを作れるか」という、製作者の涙ぐましい努力の履歴でもあるのです。

Crazy Clownsトークンの製作者……ここは仮にAさんとしましょうか。
あ、でもアメリカでは身元不明人や姓名不詳のナナシさんのことをJohn Doe(女性の場合はJane Doe)と表記しますので、ここはアメリカ流に則り「Jさん」としましょう。このへん、事情を何も知らない方と、逆にものすごく知ってる方の両方から「どっちでもいい」と言われそうですね。うへぇ。

もしこれから、マジックの同人セットや同人トークンなどを作りたいと考えているチャレンジャーな方がおりましたら、まずは今回の記事を熟読することをオススメします。その上で、もしこのJさんがやったものと同じ、もしくはそれ以上の努力ができると思うのなら、どーぞトライしてみてください。けっこうキツいっすよ。


ではまず、いつものように基本知識から。

「ミナギシトークン(通称)」

発行 : 1997年
製作 : Crazy Clowns

主なアーティスト:
Jun Minagishi
Aira Namegawa
Keito Matsushita
Hidenori Honda
Risono-Roma
Gyojya-Busyo
Kaosyo-Rochishin
Kumonryu-Shishin


このトークンカードが世に出始めたのは1997年の12月。
ま、日付まで言っちゃいますと29日です。わかる人にはわかるあの日ですね。

マジックのオリジナル・セットやオリジナル・トークンという、まぁいわゆる「同人モノ」は、マジックが日本に入り始めたころからありますので、決してこのCrazy Clownsトークンが「最初に出回ったトークン」ではありません。ただ、当時広まっていた殆どの同人モノが、カラーコピー、よくてパソコンの昇華型プリンタというチャチなものであったのに対し、Crazy Clownsはオフセット印刷で高品質なトークンを製作していたため、瞬く間に人気が広がりました。

また当時の同人モノは、他の版権モノのイラストなどをそのまま使っているのが大半を占めていたのですが(サクラ対戦とかスタートレックとか、それはそれはイヤなレベルで多彩でした)、Crazy Clownsはオリジナルのイラストレーターを起用し、またカードに使うフォントも限りなく本物に近いものを使用し、更にはフレイバーテキストまで英文で入れるといった懲りようでしたので、そりゃ人気もでるってものです。

なお、海外では「Minagishi Token」と呼ばれることの多いこのトークンですが、この由来はイラストレーターの「みなぎし順」氏の名前です。Crazy Clownsの第一期作から現在まで、唯一継続してイラストを描き続けているアーティストで、その名前がカードのアーティスト部分に「Illus. Jun Minagishi」と書かれていたため、呼称がわからなかったこのスペシャルなトークンに対し便宜的に呼ばれるようになったようです。

なお蛇足ですが、Crazy Clownsの第一期作には、実はイラストレーター表記はありません。
またカードバックも真っ白となっています。このヘンが「アーティストプルーフだ」とか「エラーカードだ」とか言われたりするのですから、まあ世も末。


んじゃ、つまんない長話も続いたことですし、そろそろ本題。
各部分について、ドコが問題であって、それがどう変化して行ったかを見てみることにします。


(なおカード画像はココにたくさん載ってますので、見比べながら読み進めるといいと思うの。)
http://www.magiclibrary.net/rarities-crazy-clowns-7th-series-1.html

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■イラスト

最大の特徴にして、Crazy Clownsトークンをここまで有名にした立役者です。
イラストは完全にオリジナルのアーティストを使用し、あくまでも「そのトークンのイメージ」に従ったイラストを描き起こしてます。もしここで、マジックの特定のカードのイラストに似せたりするとアウトですのでご注意を。

初期のものはあっさりとしたアニメ調のものが多かったのですが、後期になるにつれて美麗なものも増えてきました。初期のものの彩色はコピック、後期のものはCGが多いようです。


■フォント

初期のものはマジックとほぼ同じモノのように見えますが、100%同じではなさそうです。
まぁ、これについては、そのフォントを製作した人間が「マジック」のカードからパクったのでは無い限り、セーフだと思います。似たようなフォントを使っちゃダメ、なんてことはなかろうかと。


■カードデザイン

初期のモノはマジックの第7版までの、いわゆる旧タイプの枠をそのまま使用しています。当然アウトです。著作権……いや、これは意匠権かな? どちらにしても、マジックの枠やデザインをそのまま使うと間違いなくアウトとなります。Crazy Clownsの初期のモノはカード枠の背景(以前に紹介したポータル4では涙ぐましく変更されてましたね)までマジックのものを流用してましたので、それはもう楽しいほどに100%アウト確定です。

中期のモノは、デザインもオリジナルのものに変更されています。
見た目は、褒賞カードのテキスト無しカードに似てるような印象。でもたぶんこっちのほうが褒賞カードが出るよりも前に作られたんじゃないかな? 製作2003年だし。

後期になると、更にデザインが変わってます。
中期との一番大きな違いは、テキスト枠ができたというところ。これによりフレイバーテキストも復活しています。意外と人気があるんですよね、この英語フレイバー。

ちなみにこの「カードデザイン」でアウトになる「マジック風のカード」は以外に多いです。
某ショップで配布してた「Fireball Token」という名称のトークン(店名は言ってませんですハイ)も、これで大アウトでした。販売はせずに無料配布だからお目こぼしだったようですが、あとからデザイン変わってましたね。あと某未来Beeや某マナ素のショップ会員証も限りなくアウトに近かったです。その後でデザイン変わったのかな、あれ。

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書き始めたら、イヤんなるほど長くなっちゃったので、続きは次回。
読むほうもイヤんなりそうな文章量だ。
今回は、読者様からお手紙を頂きましたのでご紹介。
メールがくるというのは嬉しいものですねー。

いつも楽しく読ませていただいています。
突然失礼します。

今日は一つマジックについてお伺いしたいことがありメールした次第なのですが、マジックの大きな大会でヘッドジャッジも含めて明らかに誤った裁定を下された場合、その苦情もしくは質問はどこへするべきなのでしょうか?

言語のニュアンスの違いから明らかに裁定が誤っているにも関わらず試合続行を強要された場合などです。日本国内では如何ともしようがありませんが、もしもよい手段などご存知であれば教えていただけると幸いです。

用件だけですが失礼します。

これからも楽しみにしております。


はー、なるほど。

これは確かに困った問題です。
最初メールをさらっと読んだときには「なんでウチになんだろ?」と思ったんですよ。ネットにはジャッジやトーナメント運営の方のサイトもたくさんありますし、そういう人たちに聞いたほうがそういうトーナメント運営上のルール的に正確な答えが得られるんじゃないかな、と。

でもよく読んでみると、このメールを下さった方(以下:Aさん)が憤っているのは「ミス・ジャッジ」では無い様子。一番のポイントは「試合続行を強要」……つまり「よく話を理解してもらえなかった」そして「最後まで(正確な状況を)説明をさせてもらえなかった」点であるようです。
なるほど、これは関係者(もしくは関係者と交流があるかもしれない人)には相談しづらい。
納得です。

あ、ちなみにAさんにはすでにメールのお返事を出し、DCIのネットワークマネージャーのAndrew氏のメアドと、トーナメントでのジャッジングのレビューを出せる judge.wizards.com を紹介しておきました。なので今回はそのあたりは割愛し、主に「ジャッジング」についてお話させていただきます。

なお judge.wizards.com は「トーナメントの場所、期日、ジャッジの情報」を入力し、そのトーナメントおよびジャッジングで得た感想を提出できる公式のフォームです。人間性に問題のあるジャッジ、不公平な運営をするトーナメントがありましたらどしどしチクると良いです。(ま、でもジャッジも人間ですので、些細なミスジャッジ程度の報告は多めに見てあげましょう。ジャッジは基本的にボランティアな存在ですので、ジャッジ狩りになるような風潮になるのは好ましくありませんよ)

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さて、本題。

まず最初に基本中の基本ですが、明らかに間違っている裁定でありましても、ヘッドジャッジがそうと言えばそれが「正しい」ものとなります。

「ヘッドジャッジが言ったのであれば、それが正しい」のではありません。
「ヘッドジャッジが言ったことが『正しい』ことになる」のです。

それが本当に正しい・正しくないは、実は二の次です。
ヘッドジャッジが「そう」と決めたのなら、そのトーナメント中はそれが正しいものになるのです。
ですので、そのトーナメント内に限って言えば、ヘッドジャッジが言ったことに対して「それは間違っている」というのは完全にナンセンスです。

極論を言えば、ヘッドジャッジはルールを捻じ曲げる権限すらも持っています。
もちろんソレがあまりにもルールを逸脱していることでありましたら「ジャッジ資格の剥奪」などのペナルティもありますが、しかし事実として「ルールを捻じ曲げる」ことが認められています。

過去にあった実例を例としてあげますと、ウルザズ・サーガ時期に、置換ルールの不備により1枚のDark Ritualを無限に使えるという事できてしまった時期があるのですが、その時ソレがマジックのルールの上では完全に適正であったにもかかわらず、ジャッジがそれを禁止したという事例があります。(詳しくは近日中に別エントリーでご紹介する予定)

その時、そのデッキの使用者が「But, the rule say... rule say...(でもルールでは…ルールでは…)」となおも食い下がったところににジャッジが言ったセリフが、今日でもジャッジの名言として残っている「I AM A RULE.(オレが、ルールだ)」です。


さて、そろそろ本題に戻ります。

ジャッジングに関して言えば、ジャッジは公平に裁定を下す義務がありますが、同様にプレイヤーにはジャッジに正しく説明をする義務があります。ですので、もし言語ニュアンスなどの違いにより、ヘッドジャッジが「誤った現状認識」や「勘違い」をしてしまうことがあるのでしたら……その責任は、残念ながらプレイヤーとなってしまいます。大変納得はいかないと思います。ただ、やはりどちらに責任があるのかと言えば、「プレイヤー側」となるでしょう。

極論を言えば、ジャッジには全言語を理解する義務はありません。しかしプレイヤーには日本語通訳を呼ぶ権利(世界選手権レベルなら随時通訳がおります)がありますので、その通訳を交えての交渉であれば、言語という壁は取り除かれることになります。
プレイヤーには通訳を呼ぶ権利(PTレベルの大会には常に通訳がおりますので)があり、その通訳を通して抗議したのであればそれは英語圏の人間同士の話し合いと同じに扱って考えるべきであると思われます。もしそれでも状況がうまく伝えられないのであれば、それはヘッドジャッジの問題ではなく、通訳とプレイヤー側のコミュニケーション・ミスとすべきであるでしょう。ヘッドジャッジのすべき仕事は、プレイヤーから得た情報をもとに判断を下すことであり、もし「状況が正確に伝えられなかった」プレイヤーが不利益を被ったのなら、その責任はヘッドジャッジにはないと私は思います。

問題は「ヘッドジャッジが話を最後まで聞いてくれなかった」場合。
これは大変難しいと思います。

ヘッドジャッジにはプレイヤーからの話を聞く義務はありますが、その話をどこまで聞き続けるかという判断は、そのヘッドジャッジ個人の裁量にゆだねられます。プレイヤーの話を「正しい状況をより正確に伝えようと努力している」と見るか、「不利益を被りそうになったプレイヤーの言い訳」と見るかによって結果は大きく異なるでしょうし、そうなりますとそのトーナメントの場所での公用語(主に英語)を話せるプレイヤーのほうが有利となる可能性は高いでしょう。私自身も経験がありますが、不慣れな言語をたどたどしく話す人間は、非常に「自信がなく」写ってしまいます。

自信満々に状況を完全に説明する1プレイヤーと、その状況を表すのに適切ではない単語を用いながら状況を説明するプレイヤー(もしくは通訳を通して「この方はこういうことを言いたいようです」と伝えられる状況)の2つの状況描写が食い違っている場合では、ジャッジがどちらを「正確」と判断するかは……なんとも言えません。
なにより、もしそのような「2人のプレイヤーの話す状況が食い違っている」場合……例えば、各種の宣言等で「言った・言わない」の争いとなったとき、正確にその単語(例えば「戦闘ダメージをスタックに乗せる」など)を発音できないプレイヤーの側が「正確に言っていなかった」とされる可能性すらあります。マジックがコミュニケーションのゲームである以上、このようなミス・コミュニケーションでの争いは、マジックの公用語である「英語」を話せないプレイヤーに対しては、不利になることはあっても、有利に働くことは無いと思います。


最後に。

ジャッジはその仕事柄、嫌われ役となりやすいです。
人間なのでミスもしますが、その些細なミス1つで大変責められるという、とても難儀なオシゴトです。
ま、ジャッジが正確でないとゲームがゲームでなくなってしまうので仕方ないと言えば仕方ないのですが、それでもそのプレッシャーとストレスは相当なものがあると思われます。

本当にダメなジャッジ(…例えば、不公平な裁定を出す、最新のルールを勉強しようともしてない、感情的になりやすく話になんない等)は追放されてしかるべきです。でも、間違いを繰り返しながらもがんばって成長しようとしているジャッジさんは、どうか暖かく見守ってあげてください。
ミスジャッジなどのダメ出しがあれば、それを陰で非難するだけでなく、本人に直接話してあげましょうよ。

マジックはコミュニケーションのゲームなんですから。
まず最初にご連絡。

前回ご紹介した際にSSを紛失していた「梅澤の十手」ですが、無事に画像をサルベージ完了しました。
しかしながらこちらは、実はWizards社のウェブサイトに載ってた4月バカではなく、ひょっとすると「Wizards社のウェブサイトに載ってたぜーwww」という4月バカであった可能性があったりなかったり。ま、その年の4月1日に、どっかの「バカ」が騙されたという事実には相違ありません。おもに僕。

最近、ネタの確認ミス多いなあ。ちょっと味噌汁で顔洗ってきます。

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今回ご紹介するのはアイスエイジ復活事件です。
ま、これは事件っていうより、WoC社の迷走といったところですが。

いまとなっては信じがたいことかもしれませんが、ミラージュが発売されるまでのスタンダードで使えるカードのルールは「現在入手可能なカード」という……なんというか、アバウトとバカの定義を履き違えたような記載となっておりました。ちなみに当時の「現在入手可能なカード」は、

第四版 (3版まではすでに絶版)
フォールンエンパイア
アイスエイジ
アライアンス
ホームランド
クロニクル


…でした。
よって、これら6セットが「スタンダード」。

しかしながら、これがあまりにアバウトかつわかりにくく、更に言うと「いつ絶版になったかなんて一般人にわかるかよ!」な事情もあり、ミラージュの発売と共に大きく変動することとなります。

ミラージュ発売後の「スタンダード」の使用可能セットは

最新基本セット
現在発行されている、基本セットの拡張セット
現在発行されている、限定版エキスパンションセット
現在発行されている、独立型エキスパンションセット

(「ドミニアへの招待」より引用)


となりました。

…ええ、言いたいことはわかります。はっきり言って「もっとわかりにくい」。
いや、私の書き方が悪いんじゃないですよ!? 上記の引用は、当時のオフィシャルであったホビージャパン社から発行された「ドミニアへの招待」からの引用であります。ちなみに私は3回読み直して、ようやく理解できました。なんのことを言ってるのかあまりにもわかりにくいので、解説すると、

 最新基本セット → 第四版
 基本セットの拡張セット → クロニクル
 限定版エキスパンションセット → フォールンエンパイア、アライアンス、ホームランド
 独立型エキスパンションセット → アイスエイジ

ああ、ちょっとわかりやすくなったね!

ようするに「独立型セット」とは、今で言う「サイクル」の1つめの大型セットを指します。
で、「限定版セット」とはその他の「エキスパンション」です。

上記のルール変更として、結局のところナニが言いたいのかと言うと、1997/1/1より、アイスエイジとフォールンエンパイアはスタンダード落ちするということでした。アイスエイジが落ちる理由は、新しい独立型セットである「ミラージュ」が登場するため。フォールンエンパイアが落ちる理由は「発行が終了した(=絶版となる)」ためです。

当時はまだ「ブロック」とか「サイクル」と言った概念がなかったため、アイスエイジとアライアンスに相互関係はなく、単純にミラージュによってアイスエイジが追い出される形となったんです。亜熱帯のミラージュと、極寒のアライアンスが同じレギュレーションに居る方が、当時としては自然な形だったんです。……あ、コレは嫌味でもなんでもなくて、言葉どおりの意味です。当時のマジックは、マジックの基本コンセプトの1つである変わり続ける世界というのを大変重要視していたので、この不自然さこそが「変化」の一部でもあったんです。

でもまあ、不自然。
とっても、不自然。

しかも悪いことに、この突然(本当は「ルールの変更は90日後に発効」いう原則があったため、公布から90日の猶予はあったワケですが)の変更に激怒したのが、ショップのみなさま。アイスエイジは当時まだ絶賛発売中でありましたし、その不人気(独立型セットとしてはじめての試みだったので、それはそれは弱かったんです。似たようなカードばっかりだったし)ぶりも手伝って、どこのショップも在庫の山。唯一の救いは「スタンダードで使えるカードは現在入手可能なカード」であったがため、当分の間は入手可能……すなわち、スタンダードで使用可能であったのですが、いきなりの変更でそれすらボツに。そりゃ、怒る。

で、その板ばさみとなったWoCが、起死回生の案として出したのが「ブロック」構想です。
「1つの大型セットと2つのエキスパンションを1つのブロックとして考え、それらをまとめてインおよびアウトとする」。これにより、アイスエイジとアライアンスは常に相思相愛のラブラブになるため不自然さも解消。ショップのほうも、またしばらくはアイスエイジが売れるため、とりあえずは溜飲を下げるといったスペシャルな策でした。

で、とばっちりはやはりプレイヤーの方に。

「アイスエイジはスタンダードから落ちる」との決定後、僅か半年足らずで「やっぱりアイスエイジは有りっす」とか言い出されたものなので、既にスタンダード落ちを見越してカードをトレード処分してしまったプレイヤーは、またまたカードの集めなおしとなりました。運が悪いことに、当時2色地形はアイスエイジのペインランドくらいしか使用に耐えるものがなく、更には「第五版」の登場とともに次元の彼方に消え去ったはずの「剣を鋤に/Swords To Plowshares」までもアイスエイジに入っていた為、スタンダードを続けるにはアイスエイジのカードが必須ともなっていたんです。

そしてそのアイスエイジは、その次の大型セット「テンペスト」の登場とともに、再びひっそりと息を引き取ります。「ブロック」構想が発表されて、それによってアイスエイジが復活したのは1997/7/1でしたので、アイスエイジが復活していた期間は僅かに3ヶ月。まさに大迷惑。
誤報だったり、嘘だったり。
長年マジックをやってますと「マジカヨ!」と叫びたくなるような状況に出くわすことも何度か。公式(もしくはそれに順ずるもの)で正式に発表されたはずなのに、実はウソですー、とか。本当に「嘘」だったり、たまには「間違い」だったりもするんですが、それを公式がやっちゃいますと実に破壊力甚大。困ったモンです。

今回は、そういった「誤報」系のお話です。

まずは今回のBlogトップ画像にもある「梅澤の十手」禁止事件
日記を書き終えた後に写真紛失。来週までにバックアップからサルベージしてきます orz
(画像のサルベージ完了。でも情報の信憑性に問題アリです。詳しくはコメント欄にてー)


ま、こりゃ有名ですね。エイプリルフールネタです。
でもそれが、Wizards社の公式サイトに堂々と載っちゃったもんだから、中には「これ……実はマジなんじゃないの?」と勘違いしちゃった人も出たとか出ないとか。そもそもエイプリルフールで嘘をつくなんて、日本では小学生くらいしかしませんしね。アメリカは起業ぐるみでこういうオバカをやるとこもあり、私としては大好きです。

ちなみにコレは2005年のエイプリルフールのスクリーンショット(ちょっとまって下さいねー。ハードディスク交換したら、移すの忘れてました)ですが、この時期はあの弱っちい神河ブロック様がスタンダードで頑張ってたときですので、この梅澤の十手さんはたいそう大人気でありました。クリーチャーデッキには必須とも言えたので、この「禁止速報」にはある程度の説得力があると期待されたのもまた事実です。実際、真っ赤なウソでしたが。

なおこの前年の2004年には、エイプリルフールの日に「冗談エキスパンションの続編としてUnhingedってのを発売しちゃうぞーwww」って感じの記事がWizards社の公式サイトに載り、そのあまりのテキトーさ加減と、あまりのウソっぽさで誰も信じないでいたところ、実はソレを逆手にとったマジ記事で、本当に発売されちゃったという逆エイプリルフールもありました。
Unhingedがキチンと発売された今では理解しにくいかもしれませんが、当時「Ungluedの続編がでるぞ!」ってのは低レベルのギャグにしか聞こえなかったんですよ。トーナメントで使用できないというUngluedの売れ行きは、発売当初はそこそこだったものの、1〜2年後にはボックスあたり3000を切るほどの投売り状態でしたし、文字通りの意味で同社の黒歴史と化してましたから。更にいうと、同社はその数年後に「Unglued 2」の発売を企画し、誰にも期待されないままに発売中止とした黒歴史もあります。ホント、よく発売したもんだ。アンヒンジド。

次に紹介するのは「熱狂のイフリート」禁止事件

ミラージュに収録されていた「熱狂のイフリート」さん。あぁ、Planar Chaosに似たような能力をもったスリヴァーが収録されてますね。あれの原型です。
3マナでパワー2の飛行クリーチャー。しかも除去を打つと50%の確率で逃げやがるという、実に困ったこのクリーチャーは、あろうことかプロツアーレベルの大会までもコイフリップの運で決めるほどにまで使われてたんです。実に困った野郎だ。

当時はまたインターネットがそれほど普及しておらず、一般のプレイヤーがルールの変更やらのアナウンスを得るのは転倒配布の冊子(日本だと「デック・エキスプレス」って名前だったかな?)、もしくは当時WoC社が発売していた雑誌「Duelist」からでした。

で、そのDuelistに「○月○日からの新たな禁止カード」として、この熱狂のイフリート君が載っちゃったものだから大騒ぎ。マジカヨ、マジカヨな騒ぎでした。
Duelistは英語のみの記事だったので、購読者はそれなりにコアなプレイヤー。で、この熱狂君・禁止の速報を聞いたプレイヤーたちは、こぞって熱狂君をトレードに大放出。みんなが知る前に出しちゃえ、ってことです。もう出しまくり。

そしたらコレが大誤報。
ひっそりとお詫びと訂正がアナウンスされ、前記の出しまくった早漏プレイヤーのみなさんは、再び熱狂君を集めるのにタイヘン苦労したとか。あーあ、ってなもんです。

いまだに、どーしてこのレベルの記事が誤報となったのは仔細はわからないのですが、それ以後プレイヤーは、WoC社のアナウンスをとりあえる疑ってかかるようになりました。なんか大きな発表をしても、とりあえず静観。どーせ何か訂正するかもしれないし。

そしてこのとりあえず静観の姿勢は、数年後の「Urza’s Legacy」の発売直後のMemory Jarを「追加」で禁止リスト事件のときに役立つこととなります。どう考えてもヤバいカードなのに、禁止リスト更新の発表を見たらナント入って無い!? ……そこで「急いで集め始めた」プレイヤーと、「とりえあず静観」のプレイヤーの明暗は、いまのみなさまならご存知だと思います。

禁止リスト発表の二日後に、Memory Jarは「追加」として禁止リストに加わりました。
南無。

ちょっと長くなったので、以下次号。
「アイスエイジ復活」のお話などであります。
なんか最初の頃に書いたサーチの話が意外と好評なようだったので、もう一度です。
前回はブログを始めたばかりだったので、ちょっとおとなしめの内容でしたし。

んじゃまず最初に、前回のサーチ法の補足を少々。

「パックの白い部分」から中を見るサーチについてですが、記事にリンクを張ってくださったサイトさんとかを見ましたら「パックの1番上のカードしか見えないので、それほど使えない」という話もありましたが、そんなことありません。心を鬼にしてやれば、実はパックの中身の半分以上……ありあまる時間と根性と厚顔無恥な神経と長いツメさえあれば、全部のカードを見ることすら不可能ではないかもしれません。

やり方は簡単。爪を使って、中のカードをずらすんです。
当時のパックは、パックの上下にかなりの長さの「あそび」があります。わかりやすく言うと、カードの長さよりも、パックの内側長さのほうが遥かに長いんです。

まずカードを全て上側に寄せます。そして爪で一番上のカードだけを引っ掛け、下にさげます。すると……ま、当然ですが見えるカードは2枚目となります。こんな感じで上から4〜5枚は簡単に見れます。同じ方法で一番下のカードも簡単に。ま、流石に全部見るのは骨が折れますが、大抵の人が見たいのはレアだけでしょうから、そのセットでレアが入ってる場所だけ見ればかんたーん。

前回の記事で「パックが痛んでいる店は…」等と書いたのはこのあたりが原因です。実際、透かして1枚くらいみる位ではパックはそんなには痛まないんです。ただ爪はヤバい。数回やると、パックはぼろぼろになります。そこまでやると万引きと殆ど変わらないとすら言えます。商品価値が著しく落ちますので。

フォイルが出た直後には、フォイルサーチというのも流行りました。

当時のフォイルカードの値段は今とは比べ物にならないほど高く、コモンで200〜300円、アンコモンでその倍、レアなら最低1000からで、高いのは1万超え……と、ものすごくバブルでした。極端な話、パックを開けてレアがゴミでも、コモンフォイルがあればそれだけで喜べちゃうといったところ。なので、フォイルのサーチ法を血眼で捜すガキんちょもそれはそれは多かった。

「上から〜番目がフォイル」やら、逆に「下から〜番目」、はたまた「パックの糊付けの部分が」、「印刷の色が」などなど、みんななんとかしてフォイルが出る法則性を探ろうとしたものです。さながらサーチ法の展覧会。結局、どれ一つとして100%成功という話は聞きませんでしたが、当時はまだフォイルが出たばかりだったのでランダム化も甘かったのか、方法によっては多少は成功したという話も聞きました。まあ、ウソかホントかはシリマセンし、そもそもそういう製造過程の違いを見極めるサーチ法は、製造工場や製造時期によって異なり、よくて同じロットの1カートンだけに通じるといったところなので、実用とはとてもいえないレベル。

ちなみに、フォイルカード(特に初期のもの)には、実は100%のサーチ法が存在します。
それはカードの重さです。フォイルカードは通常のカードよりも重いんです。とは言ってもその誤差は0.5グラム以下ですが。

0.1グラム単位で結果がでる電子秤に乗せれば100%です。1ボックス中に数パックだけ、他のパックよりも重たいパックが見つかることでしょう。ま、いまさらこんなクソめんどくさいことしたい人が居ればドーゾ。0.1グラム単位の電子秤ってけっこう高いしね。0.5グラム単位なら料理用であるけど。

欠点は、お店ではできない。
1ボックス買って自宅でやるなら可能です。意味があるかどうかは知りません。

あとは……そうですね。

おことわり:
こっから下の文にはたっくさんのミスが含まれております。いっそ、ここから下全部消しちゃおうとも思ったのですが、内容をこっそり修正するのは性にあわないので、間違い箇所は赤字で修正いたします。タイヘン見難いですがご了承をー。もっと精進しなきゃなあ。


特定のギフトボックスなどに入ってるパックは、最初から中身が決まってる場合があります。
有名なところでビジョンズのギフトボックスかな。ミラージュブロック2つめのセット「ビジョンズ」の発売前にリリースされた、プレビューを兼ねたギフトボックスです。中にはビジョンズのブースターパックが2つ(ただしパックの外装は製品版とは違います。ま、このあたりで「あ、特別製だな」と容易に気付けますね)入っていたのですが、このパックは実は中に入ってるカードのパターンが4種類しかなく、その4種類のうちからランダムに選ばれた2つが入っている形となってました。(そもそもココからして既に疑わしいです。サンプルが少ないので、ひょっとすると「4種類」ではなく、「レア4種を含む全25枚から、ランダムでパック」の可能性も高いです) ちなみにその4種類の中に、のちにビジョンズのトップレアとなる「知られざる楽園/Undiscovered Paradise」「吸血の教示者/Vampiric Tutor」の2つが含まれていた(バンチューは入っていません。あーあ、面倒がらずにちゃんと裏とってから書けばよかった… ○| ̄|_ )というのだから、そりゃもう大笑いです。

ビジョンズ発売前には「高ぇギフトセット。ビジョンズ2つしか入ってないし、誰が買うかよ!」な評価だったのですが、発売後に情報が広まると状況が一変し、我先にとみんなが群がったというから人間とは素直なモンです。今はビミョー扱いのUndiscovered Paradiseも、発売当初はそれはそれは人気がありましたので、上記2枚のどちらかが出れば(これについては、まあ大間違いではなかったかも。Undiscovered Paradiseが高価なのはもちろんですが、当時は「雷雲/Lightning Cloud」も十分人気カードだったのですよ)、ギフトセットとして封入されてるビジョンズ以外のブースターパックの分だけでも十分大儲けという感じでした。

ちなみにやっぱり、ハズレるヤツはハズレ、高価なギフトボックスとカスレアを抱えて涙してました。残りの2枚は……「孤独の都」と「オーガの処罰者」何かだったかな? よく覚えてないので、知ってる人いたら教えてくださいませ。よく知ってる人に教えてもらったところ、大ハズレでした。反省)


結局のところ、この「マルチバースギフトセット」に入ってた可能性のあるレアは、以下の4つでした。

・知られざる楽園/Undiscovered Paradise
・雷雲/Lightning Cloud
・ネクロサヴァント/Necrosavant
・苔男/Lichenthrope

…うん、色だけ合ってた |||○| ̄|_


M:tG Wikiに載ってるかなー、と期待したのですが、ダウンしててしょんぼり。
(M:tG Wiki復旧後に調べたらマジで載ってました。ダブルでしょんぼり。)
回線不調だってさ。中の人もタイヘンねー。
情報流出と盗品と。
結果的に言えば、今回のPlanar Chaosでは情報流出し放題でしたね。

某"怨恨妖精"を訴訟に追い込み、ホンキ具合を示して望んだTime Spiralの時には、プレリ当日になっても信頼度が高い完全なスポイラーが完成しないというホンキ情報統制ぶりを示してましたが、まあ結局1回限りだったようで。いや、別にWoC社の情報統制のシステムを馬鹿にしているわけではないんです。むしろ漏れるほうが、自然っちゃー自然なんです。
ニンゲンに自己顕示欲がある限り「みんなが知りたい」のに「自分しか知らない」情報であれば必ず漏れ出すんです。一番漏れ出す可能性が高いのはもちろんテスターWoC社の職員工場からですが、そのほかの例としても私が確実にソースを知っている限りでアーティスト翻訳者からの流出というのがありました。あ、ちなみに「誰?」と聞かれても流石に答えられませんので悪しからず。ただひとつ言えるのは、その内の1人は(物的証拠が不十分なので)いまだに仕事は続けているものの、もう1人は即座に職を失ってます。

さて。
流出のモトと考えられる例を上で5つほどあげましたが、このうちの2つ「WoC社の職員」と「工場」からは、情報以外のモノも多数流出してます。ま、「流出」と言うとなんかのミスであるようにも聞こえますが、ぶっちゃけた話が盗難です。まあコイツらが色々盗み、おかげでいろいろ出回るんです。

たとえば「アンカットシート」

カードを印刷した紙が、カードの形にカットされていない状態で出回っているというものですが、こんなんどっからどうみても工場流出です。ロット番号やら○○番号(さすがに伏せました)まで書いてますし。これさえ見ればカードのソート情報も一発でわかるのでなかなか面白いものなのですが、やはり流出モノは流出モノ。正規のルートで流せるものじゃないんです。
ただこれが、その流出量があまりに多い(特にアリーナカードとフォールンエンパイア以前のセット)ため、今では結構普通に買えちゃいます。もとは限りなく盗品に近いものなのですが、それでも「善意の第三者」の原則が働く為、それを譲り受けた人物が販売することを取り締まることは難しいんです。またぶっちゃけた話として、アンカットシートはかなり観賞用としての需要が高いため、大手のショップなどでも積極的に買い取る……といったことはしないまでも「持ち込まれたら断らない」という程度には喜んで買い取ってくれます。
…ま、みなさんはもう当然わかってると思いますが、アンカットシートにはその流出元を特定するのに十分すぎる情報が含まれちゃってる"ハズ"なので、ここ数年ほどでは新しいセットのシートは全くと言って良いほど出回りません。
「善か悪」かで言ったら「悪」ではありますが、昔の規制がゆるゆるだった時代の遺品として楽しむのでしたら、アンカットシートはそう悪いものでもないかもしれません。眺めているとホント楽しいですよ。第四版とか、けっこう無茶苦茶なソートになってますし。

次に「正式リリース前の製品」
わかりやすい例だと、正式配布前のプロモカードなど。

WoC社がいちばんピリピリしてるものの1つです。せっかくその発表なども含めて大事に温めていた商品なのに、それをすっぱ抜く形で盗まれたらそりゃ頭にきますわな。
この「正式配布前」に流出したものは大変多いのですが、有名なものでは各ジャッジフォイルがあります。ただここで問題となるのは、これらが最初にオークションに登場した時、これが本当に「ごく限られた人数に配布されたもの」なのか、それとも流出なのかというのが大変判断がつきにくいということです。珍しいプロモがあると思って飛びついたら、実は知らずに盗品の売買に関わってたということにもなりかねません。
過去に某オークションに出品されてたFoilのDisenchant(まだジャッジフォイルとして配布される前)が実は内部からの盗品であったということが判明し、出品者の某大手ショップがオークションを取り消して、カードをWoC社に無償で返却したという事件もありました。ま、本来なら返却の義務はないハズなのでこれは非常に珍しいケースと言えるでしょう。噂では「まだ高レベルジャッジにしか配布されて無い、発行枚数が激少ないとても希少なカード!」だったんですが、そもそも噂自体が大ウソだったようです。ここまでくると、カードをちょろまかした内部人間やりおる、といった感じです。

最後に「テスト・プリント」
これは厳密に言うと内部資料にもあたるものなので、流出モノの中でも一番タチが悪いものかもしれません。

有名な「City of Traitors」がこれにあたります。某wikiから来てくれてるみんな見てるカナ〜?
(リンク元解析を見てみたら、実に3割くらいのアクセスが某wikiでございましたので無理やり入れてみました。この辺のあざとさが世渡りのコツです。たぶん。)
ちなみに世間ではこの流出モノのCity of Traitorsは「背景色が5種類」の5枚と思われがちですが、実は5枚以上存在します。私が知っている限りで「背景色5種類」が2セット、印刷の明るさが変えてあるものが3〜4種類(枠もフォイル)、枠外に+1とか−1とか意味不明の調整番号が入っているのが3〜4種類(枠の色は黒)となかなかに多彩です。また当時のフォイルカードにはあった「DCIの星」が有るバージョンと無いバージョンがあって、試行錯誤ぶりが伺えます。

他に有名なテストプリント流出モノではテストプレイカード(今日の日記トップの写真のものは、アルファのテストカードと"言われている物")などがあります。正直言って、見ててとてもわくわくします。楽しいです。でもWoCとしては激怒でしょうね、こういう流出は。

ま、他にもテスト物の流出はいくつかあるのですが、そのうちのいくつかは「その存在を知ってる」という人間自体がそもそも「内部の人間」と「それを盗んだ犯人」、そして「そのカードを購入したコレクター」+「こっそりちゃっかり見せてもらった私(零)を含むディーラー&コレクター数人」というくらいに狭い&ヤバいお話となってしまうため、まことにお話しにくいものとなっております。少なくとも、文書として記録に残っちゃうBlogには書けないホドに。

なにかの間違いで、リアルで「コイツ、零じゃね?」と云う人物に会われた方はそれとなく聞いてみると良いです。たぶん「そんなヤツ知らないけど、流出物のウワサなら知ってる」と言って話してくれると思います。話すだけなら無問題ですので。

ま、ディーラー稼業は人の興味を引いてナンボ、他の人が知らない話をしてナンボです。
お話聞くだけでもディーラーはみんな喜びますよ。

トーナメント会場でディーラーを見かけたら、気軽に気軽に雑談してあげてください。

みんなヒマなんさ。特に試合中。
エラーカードのお話:背面編
前回のエラーパックのお話が意外と好評だったのようなので、今回もエラーカードのお話です。

とは言っても、いまさら「沼ヌトン」やら「ブルーハリケーン」やらの、そこらへんの小学生でも知ってるような有名エラーカードについて話してもダレも喜ばないと思いますので、やっぱりちょっとディープなヤツを。有名系エラーの話が知りたい人はてきとーにググるといいと思います。「自分はいろいろ知ってるぜ!」系のコラム風自己満足文がたっくさんひっかかるのでそちらにお任せします。まぁ、サイトによって色々間違ってる部分が違って面白いですよ。サマーマジックの説明で「手違いでヨーロッパ方面にのみ発送された」「数ボックスしか存在しない」とか大嘘ですね。ホントにその程度ならあんなに出回るかっての。殆どのサマーはアメリカで見つかったものです。

さてディープなエラーと言いましてもいろいろありますので、今回は『カードの背面』についてお送りします。

背面のエラーには大きく分けて2種類ありまして、1つは「カードの背面がマジックのもの」で、もう1つが「カードの背面がマジックのものではないもの」となります。

1つめについては、これはフツーのエラーです。
たとえばカードの背面が上下逆のもの(ただ単に印刷時のシートを逆に入れただけ)、カードの背面の色が白黒なもの(背面アルビノですね)、カードの背面に「表面」が重ねて印刷されてるもの(ある意味どっちも表ですな)などなどです。ま、最初の一瞬は楽しいですが、けっこうタイクツなエラーです。両面表はいつみても楽しいですが。

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話が脇道に反れますが、マジックのカードをトーナメントで使用する場合、そのカードの表面の「カード名」の部分に書かれているモノが、その「カード」として扱われます。なんのこっちゃと思う人も居るかもしれませんが、ようするに「カード名=そのカード」です。たとえテキストにエラーがあろうが、イラストが他のものになっちゃってようが、カードの下半分が印刷されてないようなものだろうが、「カード名」が書かれているカードのオラクルに従って処理されます。

昔、某トーナメントで当時「nWo」と呼ばれた白緑主体のデッキを使ってるひとがいたのですが、その人のデッキに入ってる土地が全て「Plains」と「Wald」だったため、ジャッジから猛烈な勢いでツッコミいれられてました。(知らない人のために解説しますと、Waldはドイツ語版リバイズド黒枠の有名なエラーで、土地イラストが「平地」の『森』です)
…まあルール上は適正であり、ちゃんと「Forest」として扱われますが……こりゃある意味で「非紳士的行為」ですね。

ちなみに後日、その話を某レベル3ジャッジにしながら「んじゃエラーカードで、1つのカードに2枚が映り込んじゃってるヤツ(今日の日記トップ写真のようなヤツ)を使ったらどっちのカードになるんでしょう?」と聞きましたところ、

 「つ・か・う・な(怒」

という、非常に明確かつユーモラスな回答を頂きました。
こういうジャッジが大好きです。

追記:ちなみにルールに沿って正しく解釈した場合、本日のBlogトップにある画像のカードは「移り気なイフリート」となるハズです。だってそういうカード名が書いてるし)
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閑話休題。

さて、本日の本題。
「カードの背面がマジックのものではないもの」は、いわゆる「ワイバーン・エラー」などに代表されるもので、製造時に工場のミスにより他のカードゲームの背面が印刷されたシートを入れてしまったというものです。ワザとやってるんじゃないかと言いたくなるほどあり得ないミスなのですが、これが現実に起きちゃうのが面白いところ。現在までに3種類確認されてますので、今日はそれをご紹介。

■ワイバーン

超有名。
超人気ゲーム「まじっく」の背面が、超マイナー死にぞこ無いゲーム「わいばーん」になっちゃったという、栄えあるカード背面エラーの第一弾。印刷所は毎度お馴染みベルギーのCarta Mundiです。

「Wyvern」というゲームは1995年にU.S. Games Systemsから発売された、ドラゴンとお宝満載のトレーディングカードゲームです。最初はそこそこ売れてたようですが、末期には1ボックス10ドルくらいで叩き売りされても売れないほどの人気っぷりでした。

このエラーは、フォールンエンパイア/Fallen Empireの第三期印刷版(Fallen Empireは全部で4回印刷されてます。そんなに頑張らなくてよかったのにね)に発生したもので、報告されている限りではコモンシートにのみ発生した模様。1シートは11×11枚の121枚なので、全てのコモンにWyvernエラーの可能性があります。ちなみにこの121枚っていう数字は覚えとくと結構便利です。「なぜフォールンエンパイアに絵違いカードなんてものが存在したのか」とか「なぜアンコモン3とかコモン2とかいう変なレアリティが存在したのか」というのを理解するのにとっても役立ちます。

■ハリーポッター

最初に申し上げますが、画像がありません。
保存しておいたハードディスクが2年ほど前にクラッシュしました。
いまにしてなお、最も悔やまれるデータの1つです。

「Harry Potter」トレーディングカードゲームは、映画や小説で大人気のハリーポッター君がカードゲームでも大暴れといったゲームです。しかしながらカードのイラストが、あろうことか小説版のあのへなへなな感じを見事に再現してしまったため、映画版のダニエル・ラドクリフやエマ・ワトソンを期待して買ったプレイヤーの夢と希望を粉みじんにしてしまったため、誠に遺憾な人気となり、あっという間に市場からremove from the gameされてしまったゲームです。存在を覚えてても今後一生役に立ちません。

しかしながら、この「カード背面がハリッポッター」になってしまったインベイションの構築済みデッキはオークションで大変好評を期し、最終的に150万円以上の高額で落札されたと記憶しています。
ただその際の商品画像は現在ネット上のどこを探しても無く、かのMagic Salvationの面々を持ってして「Harry Potter-Backのミスを繰り返してはならない」と言われるほどのものとなっています。オークションに登場したのは約6年ほど前なのですが……このブログの読者の方で、誰か画像保存してませんかね?

■ポキモン

日本語でポケモン・英語発音だとポッキモーンの、例の黄色ネズミです。
もうそろそろみなさんの記憶からも消失されたころかもしれませんが、まあ一時期は世界中で大流行したもんですよ。「光宇宙」と書いて「ぴかちゅう」と読ませる、今後半世紀に渡って後悔しそうな名前を付けられた可哀想な赤ちゃんも居たくらいです。実話です。

このポケモン(正しい表記に直しました)カード背面のマジックカードが世間に知られたのは、実に2006年8月。まだ半年も経ってません。
とあるコレクターが「PokeMon背面のインベイション構築済みのアンカットシートを入手した」と掲示板で報告したんですね。彼は支払った金額は明かしませんでしたが、ま、安いものではないでしょう。

このシートも11×11枚の121枚でして、完全なアンカットシートの形での入手だそうです。
ま、工場流出ですね。間違いなく。

工場流出はマジックの黎明期から問題となってるのですが、未だにぽつぽつと登場しますね。
ま、流出モノはどれもコレクターの目をたいへん楽しませてくれるので、個人的には大歓迎ですが。

次回は「流出」の話でもしようかしらん?
「次元の混乱」のプレリリースが終わり、みなさん一息ついてる頃だと思います。
新製品の発売前の時期はどんなネタだしてもみなさんの興味は新製品まっしぐらと思われるので、こういう最新情報を扱わないダメブログは誠に立場がないですな。そんなわけで勝手に不貞腐れて勝手にサボり気味でした。半分ウソです。普通にサボってました。だって寒いんだもん。

さて。
話に聞くところによると、今回のプレリ「も」色々と混乱があったようでなによりであります。
いや、参加者のみなさんにはたまったもんじゃないでしょうけど、私のような半部外者から見るととても楽しいものでありますよ。トーナメントパックからレア1枚なんていうどっからどうみても不良品としか云えないシロモノを掴ませておいて、一体どんな裁定を下して下さるのか、とね。うっかり保障もしくは交換なんてしちゃったら「WoCは1パックあたりのレア枚数を保証している」なんていう判例モドキを作りかねませんし、交換もなにもしなかったらそりゃ当然お客さんから不満はでますって。高いお金払ってプレリに参加して、構築前から大ハンデを背負わされたらそりゃ文句言うでしょうね。

ま、せっかくこんな絶好のネタをご提供いただいたので(某プレリ会場様ありがとうございます)、今回はエラーパックのお話を。

まず大前提を。
結構意外に思われる方もいるかもしれませんが、WoCはパックに入っている各レアリティの枚数を保証していません。レアが入ってないようなエラーパックでも不良品としての交換は不可です。だってレアが入ってることなんて保証してないし。「パックに入ってるカードはランダム」なんですよ。

あ、ちなみに「WoC」はWizards of the Coast社の略で、一般的に「うぉっちー」と発音されます。日本ではこの略称を使うひとはまだ少ないので、友達に一歩差をつけよう! きっと「なにこいつ」って白い目で見られること請け合いだー。(アメリカではプレイヤーもディーラーも普通にこう呼んでるんですよ。だれも「うぃざーず」なんて言いません)

閑話休題。

WoC(うぉっちー)がパックに入ってるレア・アンコモン・コモンの枚数を、製品の仕様として保証していないというのは事実です。本来あってはいけないことですが、マジックはその発行枚数の多さもあって、かなりの量のエラーパックも生産してしまってます。代表的なのに「レア無しパック」がありますが、その他に私が自分で確認したもので以下のようなものがあります。

 ・15枚全部がフォイル
 ・アンコモン・スロットが全部レア
 ・アンコモン・スロットがそもそも封入されてない(12枚パック)
 ・コモン・スロットがそもそも封入されていない(驚きの4枚パック)

あと「15枚全部レア」とかもよく聞きますね。残念ながらまだ見たことありませんが。
私が自分で購入したものの中で一番キツかったのは、イタリア語レジェンドのレア無しパックかな? イタリア語のレジェンドは実はレア1、アンコモン4、コモン11の16枚入りパック(レジェンド解説カードの代わりにアンコモンが入っている)んですが、これが15枚しか入っておらず、よく見たらレアがない。…まあエラーは仕方がないことなのでそれ自体は諦めるしかないんですが、納得がいかないのはそれを買った店がそのイタリア語レジェンドをBOXを開封した形で売っていたこと。通常こういう封入エラーはBOX単位で起こりますので、おそらくその店で売った同じBOXからでたパックは全てエラーだったはず。他の全ての客が気付かなかったのか、それともクレームが来てもそのまま何食わぬ顔でエラーを売り続けたのか。
…まあ、帰り際にさらりと「エラーだったよ」と報告したら、かなりムキになって「そんなことはありません!」と言い張ってたので、きっと気付いてそのまま売ってたんでしょうね。そんな商売してるから客も信用も会社もなくすんですよ、某水道橋にあったBagってハニーなお店さん。

…ま、そんな昔の個人的な話は置いておいて。

エラーパックというのは、稀にとんでもないお宝も授けてくれるのですが、たいていの場合は客に結構な被害をもたらします。小遣いをはたいて買った1ボックスが丸々エラーだったりしたら、泣くに泣けないでしょう。しかもそんな場合にも、タカラもWoCも何も保証はしてくれません。ある程度経験を積んだプレイヤーがパックを開けるときなんてレアだけが目当てと言っても全く過言ではないと思うのですが、それでも彼らは「レアなしパック」について保証は行いません。
「事実確認が困難」というのがもちろん大きな理由なのでしょうが、それでもやはりどうにかならないものかと祈らずにはいられません。そろそろいい加減こんな初歩的なエラーはなくしてもらいたいものです。切に。

ちなみに、プレリで大規模なエラー騒ぎがあったのは今回が初めてではありません。
某セット(ネメシスだったかなあ? ちょっと記憶が不鮮明なので、フォローできる方いたらお願いします)(「プロフェシー」でした。あのクソセットでございます。ホント、どこまでダメな子なんでしょう!)のプレリリース・トーナメントではパックに入ってるカードが中国語版であったという、あまりにも腰砕けな事件もありました。私は当時トーナメントに併設されていたディーラー・テーブルのあたりでのほほんとしてたのですが、ジャッジの「パックを開封してください」の合図とともに、普通なら歓声やらため息やらが聞こえるタイミングで、いきなり会場全体が大爆笑に包まれ、非常に困惑したのを覚えてます。そりゃ中国語版がでたら笑うわ。なお全部が中国語ではなく、たしかアンコモンスロットが中国語だったと記憶してます。それはそれで不思議ですが。

ちなみにその後しばらくは、そのセットのパックは一般のテンポでも全て開封済み&オフィシャルの封印シールで再封されて販売されてました。当然、みんな買うのに二の足でした。そりゃ開封済みパックなんて、それがたとえ正規の人間がチェックしたものだとしても買いたくないわな(しかも当時の代理店は、全てにおいて悪名高い某HJでしたし)。

まあ。
エラーパックはプレイヤー&販売者の両者において、害しかないという話でした。
某FB社とか某HJ社については、そのうちまたなんか暴露しますよ。あのへんはホント黒い。
毎度おなじみ、世の中の一部の方面から嫌われそうなブログでございます。


今回は「サインカード」についてお話いたします。

サインカードとは呼んで字の如く、著名人のサインが入ったカードです。ここでいう著名人とはいわゆるマジック界で名が通った方となりますので、特別にアーティストに限った話ではありません。マジックのデザイナーであるリチャード・ガーフィールド氏はもちろん、開発陣での有名人マーク・ローズウォーター氏なども人気どころ。昔を知る人であれば、ルールの女神「BethMo」ことベス・モーサンド女史なども、サインを貰うに値するほどの人物と言えるでしょう。というか、欲しいです。一度のチャンスを逃したのが今でも悔やまれるー。

さて。
ではサインカードというのは正直価値があるのかと言えば、ぶっちゃけ「無い」が正解です。
そもそもサインというのは、自分が憧れの人物と(小さいながらも)交流をもった証明となるようなものですので、売買の対象とすること自体がそもそもギモンです。まぁ、それでも「そのカードに、サインをした人物が直接触った」ことには違いないので、たとえば存在自体が憧れとなる対象なら高い対価を払ってでも欲しがる人はいるでしょう。

じゃあ、マジックのカードに関わる人でそこまでの憧れを持たれる人物がいるかと言えば……まあ、居ないのではないでしょうか。ぶっちゃけた話、マジック界のどの有名人も「手が届かないほどの、雲の上の存在」じゃないんですよね。創始者であるガーフィールド氏をはじめとする開発陣、有名プロプレイヤー、美麗なイラストを描くアーティスト……そのいずれも、まあ会おうと思えば会えるんです。開発陣&アーティストは結構頻繁にイベントに顔を出してますし、そうじゃなくてもメールでも送ればかなり気さくに返事が返ってきます。一般の人が「一緒に一度でいいから会いたい! 会えないのなら、せめてサインだけでも手元に置いておきたい!」なんて思うまでも無く、フツーに交流持てます。プロツアーやら世界選手権をうろうろしてれば苦も無いでしょう。

ところで、マジックの世界で「サインカード」と言えば通常は「そのイラストを描いたアーティストのサインが入ったカード」となりますが、そもそも殆どのサインカードはトーナメント会場などで行われるサイン会で入手したもの、もしくはアーティストに直接カードを送付して頼んだもの(たぶんみなさんが考えているよりも遥かに簡単に貰えます。必要なのは最低限の礼儀と行動力だけ)となるので、そもそも数が多く出ています。ようするに「希少」ではないんです。

「交流を持つ(会う or メール等で話す)」のも簡単、サインにも気さくに応じてくれる、ちょっと頼めばイラストなんかも描いてもらえちゃう……これがマジック世界の有名人さんたちなんです。ぜんぜんお高くとまってません。間口広いです。いい人多いです。

でもそれゆえに、サインに金銭的な価値はありません


さてさて、ではそろそろ本題に。
ダレもこんなサイン考なんか期待してこのページ開いてないでしょうし。


繰り返しますが、マジックのカードにおいて「サイン」というものに金銭的な価値は(殆ど)ありません。でもそれでも、欲しがる人がソコに居る以上「所有者」はソレにある程度の価値を上乗せします。判りやすく言うと「ショップは通常のカードよりもサインカードを高く販売する」ということです。欲しがる人がいる以上、それは正常な動きといえますね。

まあ、そういうことなんです。
「金銭的な価値」があろうとなかろうと、欲しがる人は居るんです。
で、そうすると当然のようにフェイク……ようするに、このサイトを見てる人の大部分がお好きな話題である「ニセモノ」が出てくるんです。

こんなニッチな需要で、しかも価値も殆ど無いのに。
みみっちいにも程がありますが、実際に存在することは事実。
で、存在する以上は、欲しがる人から見ればそれはそれはクソ迷惑なものであることもまた事実です。

ま、ぶっちゃけて言いますと。
偽造サインが多いのはブチ抜きでリチャード氏のサインです。だって有名だし。
しかも彼のサインは名前を筆記体で書いてるだけなので、それはそれは簡単にマネっこ可能。
私も持ってますよ。どう考えても本物とは思えないリチャード氏のサイン。

なぜソレがニセモノと思うか。答えは簡単です。
同一人物から入手した、某他のアーティストのサインカードに書かれている、これもまたホンモノとちょっと雰囲気が違うサインと、ペンの種類と筆圧が全く同じだからです。それも10枚、20枚ではない単位の数のカードが。100%とは言い切りませんが、98%ニセモノと断言します。

まぁ、こんなみみっちい偽造なんて正直どうでもいいのですが、ちょっと考えてみたんです。
「ナゼこの阿呆は、リチャード・ガーフィールド氏のサインを偽造の対象に選んだのかな?」と。前述のとおり確かに有名人なんですがそれほど需要があるとも思えない。どうせ一所懸命サインを練習するなら、もっと価値があるアーティスト(中には居るんです。サインを貰うのが極端に難しいアーティストが。某R嬢とか)を練習すればいいのにな、と。

実は答えは、ちょっと考えれば簡単でした。
「リチャード・ガーフィールド」のサインなら……どのマジックのカードに書いても不自然じゃないんですね。「セラの天使」のカードに別のイラストレーターのサインがあったら類人猿でもニセモノとわかりますが、ガーフィールド氏のサインなら不自然じゃありません。ああ、なるほどそうなのか、と。

そんなわけで。
そもそも数が殆どないと思われる偽造サインカードをそれでも警戒するのなら「どうしてこのカードの元々の所有者は、このカードにサインを貰おうとしたのか」を考えるとちょっとは指針になるかもしれません。あと偽造サインは圧倒的に古いカード、特にベータのものに多いので、好きなイラストレーターのサインがどうしても欲しくて購入したいのでしたら、ベータ以外のセットを選ぶとちょっぴりだけでも安心かもしれません。

まあ、サインは自分で貰うのが一番ですよ。
先にも言いましたように、サインとは本来その人物と交流を持った証です。
アーティストの連絡先なんて簡単に調べられる世の中なんですから、どんどんファンレターでも送るといいです。拙い英語でも、本当に喜んでもらえますから。

欠席届

2007年1月13日
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ちょびっとカナダのほうに飛ぶ用事ができてしまいましたので、今週の更新はオヤスミさせてくださいまし。ここんとこマトモなネタをご提供できず、誠に申し訳。

なにか面白い話を仕入れられたらいいなー。
ベータの海賊版をクソ大量に作った国だしなあ。

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あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いしたい…と思いますので、がんばって更新します。
更新しないことにはヨロシクもへったくれもありませんですね、はい。


新年といえばお年玉であり、初詣であり、雑煮であり、食いすぎでありますが、ここはひとつ「福袋」に注目してみたいと思います。ご存知のように福袋とは年末商戦の売れ残りの詰め合わせを、消費者の好奇心と投機心と浮かれココロに漬け込んで売りつける商売……とハッキリいうと身も蓋もないので「たのしい運試し」とでもしておくことにする、まぁいわゆるみみっちい公認ギャンブルのようなモノでありますが、これもまたご存知のように我が祖国・日本国ではギャンブルは禁じられております。まあでも、パチンコ屋が駅前に乱立してて、そのスグ横に換金所があっても「ただライター石(or ネクタイピン)を買い取ってるだけニダ」という言い訳が通用するほど甘々なものですが。まあ元来人間は「勝負」好きであり、その勝負の報酬としてなんらかの利益を得るという仕組みを「ギャンブル」と称するのなら、そのギャンブルこそが競争心を育てるといっても……ま、大間違いではないでしょう。

しかしながら、世界中を見てみると「ギャンブル」を禁止している国は意外と多くあり、その中には日本とは比べ物にならないほどキツめに取り締まる国もあります。経済的な観点から見れば、ギャンブルとは不労所得であり、そんな税金もぶんどれない……いえ、経済の発展に貢献しない手法を認めることは公共の利益に反すると考える国も多いと言う事でしょう。



(ご注意)
今日のこのブログは沖縄出身の友人と泡盛を大量に飲んだ末に書いておりますので、文章はものすごく適当であります。読みにくかったらナナメ読み推奨。これが酔っ払いの文章だー。

閑話休題。



さて、ここまで引っ張ってどんな話題を持ってくるかと興味津々なマジメな読者様にはとても申し訳ないのですが、今日は小ネタであります。
ご存知のように(今日はこの書き出し多いですね。酔っ払いの脳ミソがどんなものであるかをよくあらわしていると思います)マジックにはたくさんの言語(2007年現在9言語が現役。通算で11言語+プレリ言語)がありますが、その中にたった2言語だけ、同じセットなのにブースターパックに入っていたカードが他の言語とは違っていたものがあります。

そのうちの一つは、みなさんご存知の中国語。
ああ、「中国語」と冠する語はマジックに2種類ありますので、ここは正確に「中国語・繁体字(はんたいじ、と読みます)」としましょう。今のマジックには中国語は1つしかないんだけどね、もう一つの「中国語・簡体字」はもう印刷されてないはずなので。
中国では「骨」、とくに「骸骨」が不吉なものとしてのイメージが根強く残っているため一部のカードイラストが変更されているのは有名ですが、それと同時に「エロ」に厳しい国としても有名です。中国語繁体字版が最初に発売された4th Editionには、女性の裸体(もしくはそれを連想する)イラストが複数あったため、それらは中国語繁体字版では印刷されませんでした。具体的なカード名をあげるとBlood Lust(なんかエロいらしい)とかLost Soul(裸と言えばハダカだな)とかです。ですので、中国語繁体字版の4th Editionは、総枚数が他の言語とは異なっています。

で、もう1言語。これも4th Editionですが、総枚数が他の言語とは異なっているものがあります。それがポルトガル語。ポルトガル語というのは主にポルトガルとブラジルで使われている言葉なのですが、そのうちの1つであり、主要な消費国となるブラジルがギャンブルご法度の国となっています。そのためポルトガル語版4th Editionではアンティ関係のカードが全て廃止となっています。またその理由により総枚数が大きく変わってしまったせいなのか、ブースターパックに封入されているカード枚数も8枚となっています。
面白いのは、ここでパックの封入枚数が8枚となった煽りを受けて、通常のブースターパックの大原則の1つであるすべてのパックにレアが1枚というものが無くなってます。詳しいレアリティの配分は少々失念してしまったのですが、確かコモンが5枚、アンコモンが2〜3枚、レアが0〜1枚という、いわゆるU1、U3形式のレアリティのような配分となってしまっています。

うーん、なんていうんでしょ。人様の国の決定にモンクつける気はさらさらないんですが……ホラ、一昔前にもどこぞのバカなPTAが問題扱いしてましたように、そもそも「ブースターパック」という販売形式はソレ自体がギャンブル性が強いのですが……全パックにレア1枚が保証されてないってのは、ソレを後押ししちゃってはいませんかね?? 本末転倒というか、支離滅裂というか。



ちなみに蛇足となりますが。
「同じセットなのに、印刷されたカードが言語によって異なる」というのは上記2種なのですが、もう一つだけ例外っぽいのが存在します。イタリア語のルネッサンスです。

知る人ぞ知る珍妙なセット「ルネッサンス」ですが、これはRevisedが存在していた英語以外の3言語(イタリア語、ドイツ語、フランス語)にのみ存在する補完セットであり、Revisedには入って無く、4th Editionで新たに収録されたカードのみが入っているセットとなります。ようするに『あなたの国の言語のRevisedを発売したばかりなのに4th Editionをすぐに出してしまってゴメンナサイ。差分はこのパックに入っているので許してちょー』というコンセプトと推測されます。
Revisedには入っておらず4th Editionから収録されたカードはアラビアンナイト、アンティキティ、レジェンド、ザ・ダークの4セットですので、この「ルネッサンス」のパックにはこれらのセットから再録されたカードのみが、黒枠で封入されています。

しかしながら、ここで問題1つ発生。
実は発売時期の関係で、イタリア語版のみ「レジェンド」と「ザ・ダーク」が既に出ているんです。
足りないのはアンティキティとアラビアンナイトのみ。

……そんなわけで、イタリア語版ルネッサンスはこの2種類のみとなりました。
ですので、いくら開けても「Ball Lightning」は出てきません。Urza地形ばっかりでます。南無。



まあ、そんなわけで。
2007年も本ブログをよろしくおねがいいたします。
「Portal 4G」 その後
先日「Portal 4G」の記事を書きましたところ、コメント欄にPortal 4Gを作った方々のチームメンバーさんからコメントを頂きました。で、さっそくメールをしてみましたところ、返事が返ってきましたので要点のみ翻訳してご紹介いたします。


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ポータル4Gを製作したチーム「REBEL」のメンバー、Ladislav Lamacと申します。
私は同チームにてカードの機能(カードテキスト、メカニックなど)を担当していました。
私たちが製作したカードセットが遠く日本にて話題となり、人気を興していることを大変嬉しく思います。

しかしながら、製作したセットは既に完売してしまっており、僅かに私の手元にブースターパックが12個ほど残っているのみとなります。これは私が大切に保管しているものであり、お売りするわけにはいかないことをお許しください。私たちのウェブサイトにはすべてのカード画像(注:私・零が先日ダウンロードさせて頂いたもの)がありますので、これをダウンロードして印刷していただければと思います。
(以下・私的な内容なので省略)
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残念。

「Portal 4G」は既に完売とのことです。そりゃあのクオリティじゃ仕方ないなあ。

でも、この世に現存するもので入手不可能なものはありません。
ちょっと闘争心に火がついたので、このカードはいつか必ず入手してみせます。

なお追加の情報としては「ポータル4Gのブースターパックは、1パック15枚入り」ということだけ判明いたしました。へぇボタン、一桁台の小ネタですね。

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で。

今年度の「マジック黒歴史」はこれでラスト更新となります。
最後がこんな小ネタでお恥ずかしい限り。

じつは本業とは別に某紙でたまに記事を書かせて頂いていたのですが、そこのあほ担当が締め切り日が変わったのをギリギリまで連絡しないというミラクルプレイを披露して下さり、現在「そーいうのは先に知らせろよ!」「メールで連絡したじゃないですか!」「いきなり『じゃ、よろしく』ってのは連絡とは言わない!」という子供レベルの喧嘩に大忙し……なのはさておき、まぁどうやら年内はのんびりブログ書いてるヒマなど頂けないご様子です。無事に年が明けたら覚えてやがれ、です。

ではみなさま、よいお年をー。
だれですかね、グーグルサーチから「通貨偽造の方法」なんてキーワードで来た人は。
うちにはそんな高級な情報はありません。

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前回に引き続き、シングルカード話。
どっちかというと、非常に狭い範囲でのビジネス論的な意味合いが強いので、興味がない人は鮮やかにスルーしてください。また数週間後に戻っておいで〜


さて、買取価格のおはなし。

マジックのシングルカードの買取価格は「販売価格の3〜6割」が基本となります。
ま、一般的な商売でも「仕入れ値は6掛け(販売価格の6割)」が基本なので、それを知っていればそれほど驚かない数字ではありますが……やはり一般のプレイヤーの方からすると自分の持っているカードの価値が半分になったような気分になるようで。まぁ、仕方ないんですけどね。
(ちなみに本当に蛇足の話ですが、某KナミのY戯王というゲームでは、一般の小売店ではパックの仕入れ値が7掛け・8掛けが当たり前なようです。二次問屋ではなく三次問屋からしか購入できないところでは、仕入れ値が売値の85%を超えることもあると聞きました。相変わらずあそこはキッツイ商売やってるなあ)

マジックのカードは売れる旬というのが非常に限定されていて、在庫リスクがかなり大きい部類の商品になるんです。しかもその上で更に「メタゲーム」やら「どこぞの大会での優勝デッキ」やらでお客さんの好みがコロコロ変わっちゃうので、値段がとってもとっても流動的。市場での販売価格が高いカードでも、買取ではそれほどのお金を出せない理由はソコなんです。
最近ではインターネットの普及によって、どこぞの優勝デッキは24時間以内に全世界に広まります。人気のカードは一夜で値段が急騰してますます入手が難しくなり、メタから落ちたカードは一気に需要がなくなります(値段は急落せず、時間をかけて緩やかに、しかし確実に下降します。いらなくなったからって今まで一線で使っていたカードを大安売りで手放したがるプレイヤーはそんなにいませんから。このへんはちょっと面白いところですね)。

このヘンがマジックのシングル屋と一般の古物売買商(例:古本屋など)の一番の違いかもしれませんが、マジックはそのゲームの性質上(非常に短期間で変動するモノではありますが)本来の商売なら基本的にありえない「100%売れる」商品というのがあり、しかも売れる時は同じ商品が4つ単位で売れるという、これまた一般的な商売ではありえない売れ方をして下さるのです。
しかもショップを訪れてくれるお客さんも、かなりの率でその「いま一番ホットなカード」を目当てにやってきますので、店としてはなんとしてもその「ホットなカード」を品切れにさせない努力が必要となります。

極端な話をしますと、100%確実に売れることがわかっているカードなら、売値の9割以上の値段を払って仕入れてもOKですよ。儲けが1割しかありませんが、それでも絶対に儲かるんだし。店の信用を作るのが目的として考えれば売値の10割、すなわち儲けがゼロでも「店にとってはプラス」ですね。メルカディアンマスクス時代の「リシャーダの港」などで実際にあった話です。

買取価格を見れば、その店がどのような方針でシングルを扱っているかがわかります。
『買取価格を見ればその店の「マジック」の理解度がわかる』と言われるほどです。
とにかく安く買い取って安売りする店、高い金を出してでも在庫を常に充実させようとする店、トーナメント・プレイヤーを囲い込んで次の流行をいち早く抑えようとする店……いろいろです。

さて、これでシングルカードの値段が決まるのですが、この方法で値段が決まるのは基本的にレアのみです。アンコモンとコモンはまた別の方向から値段が決まっていきます。

特にコモンは、ショップの本音としては「本当はやりたくないが、客へのサービスとして取り扱い」とするのが事実でしょう。ぶっちゃけた話、コモンは1枚20円で売ってもほとんど赤字みたいなもんです。経費がかかりすぎて儲けになりません。

ま、でもそのへんはあまり面白い話でも無いので、また別の機会に。
コモン関係でいいネタが入った、もしくは他に書けるネタが尽きたらまた引っ張りだしてくるとします。

では、今回はこの辺で。

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(先週のクイズの回答)

【問題】
1つのフェイズ中に、マナ・バーンを2回以上起こすことは可能か?
可能ならその一例を。

【条件】
ヴィンテージ環境。


そもそもマナ・バーンは「フェイズ」が変わる際にマナがマナプールに残っていると起こるものなので、そのマナ・バーンによって引き起こされる「ライフの損失」によって更にマナが発生するという現象を起こせばOK。よって回答は、

1) 《Lich (a, b, UN)もしくは《Lich’s Tomb/死者の墳墓 (DST)をコントロールした状態で、マナ・バーンを起こす。

2) ライフの損失によってパーマネントの生贄を要求されるので、《Su-chi (AQ)》《Cathodion/陰極器 (US, MRD)》《Myr Moonvessel/マイアの月帯び (DST)のいずれかのパーマネントを生贄に捧げる。

となります。

ちなみに前回も書いたように、この問題は某マーク・ローズウォーター氏が日本のとあるイベント会場で出したものなのですが、その時点ではまだミラディン・ブロックが出てなかったためヴィンテージでのみ可能だったのですが……いまだとエクステンデッド、さらにミラディン・ブロック構築でも可能ですね。あーあ、気付いてたら「ミラディン・ブロック構築」で問題出したのに。

ご指摘感謝ですよー。
謎セット「Portal 4G」
Private Squareさん経由でたいへん面白い記事を見つけましたので、臨時更新。
いつもは週1更新なのにね。そうしないとスグにネタが切れちゃうのにね。

謎のセット『Portal 4th Generation』について調べてみました。

とりあえず基本知識。

 ・製作は2005年
 ・全130枚セット + 褒賞カード5枚
 ・言語は英語
 ・配布されたのはチェコ共和国。
 ・プロダクトの写真も存在するが、実際に店舗で販売されたかどうかは不明。
 ・カードバックはオリジナルの物。

褒賞カードはトーナメントに参加などで配られたものらしく、5色に1枚ずつのレジェンド・クリーチャーとなっています。あんまり強くないです。でもこのセットのレジェンドはこいつらだけなので、まぁまぁ意味はあるのかも知れません。

カードの能力は基本的に「ポータル」シリーズの物となっています。
なので、例えばカードタイプ「インスタント」は存在せず、打消し系の呪文はすべて「このカードは相手のスペルにレスポンスする形でプレイできる」と書かれたソーサリーとなっています。またタップシンボルも無いので、タップによって能力を使うことのできるクリーチャーは「あなたは〜を、あなたの攻撃宣言前にタップしてもより。その場合〜」というテンプレートになっています。

またこのセットには、本来のマジックには登場していない能力が5種類登場します。
新能力は色ごとに1種類ずつ割り当てられており、それぞれの特色を生かした(?)ものとなっているようです。

・Vampirism(黒)
〜が攻撃してブロックされなかったとき、対戦相手は1点のライフを失い、あなたは1点のライフを得る。
・Sabotage(赤)
〜が攻撃してブロックされなかったとき、あなたは対戦相手のランブラリーのトップのカードを墓地に置いても良い。
・Revive(緑)
〜が場から墓地に置かれたとき、あなたがコントロールする森を一枚破壊することによってそれを場に戻しても良い。このカードは、たった今あなたの手札からプレイされたものとして扱う。
・Heroism(白)
〜がブロックしたかブロックされた状態となったとき、あなたは〜と〜をブロックしているかブロックされている対象のクリーチャー1体を破壊してもよい。
・Invisibility(青)
〜は、いずれかのプレイヤーかクリーチャーからダメージを受けるまで、+1/+1の修正と「このクリーチャーはブロックされない」の能力を持つ。


……赤がものすごい違和感。なんでライブラリー破壊なんだろ?

Vampirismは一見すごく強そうなのですが、この能力を持ったカードは軒並みパワーとタフネスが本来のバランスよりも1低い(例として、黒黒3で召喚できるヴァンパイアは「3/3、飛行」のみの能力です。センギアを見習え)ので、誠に遺憾な弱さとなっています。なんでタフネスまで低いのか。

カードバランスなんですが、意外なほどにしっかりと調整がされている模様で、よく同人セットで見かけるような製作者の自己満足のためだけのカード(強すぎる or 弱すぎる)や、マジックの基本的なマナコストと効果のバランスを無視したカードはありません。むしろ本来のポータルシリーズと同じく、基本セットよりもちょっとだけ弱めの調整となっています。またカードのフォントもポータル特有の「なんか太い」ものとなっており、一見本当にポータルのカードかと思えるほどです。

このセットと本物のマジックの違いは、まず一番大きなポイントは「カードの背面がマジックのものではない」こと。そして「カード表面の背景(各色の背景。青だったら波模様だったり、黒だったら泡だったりする部分)のイラストが本物と違うことです。あ、もちろんCopyRight表示もありません。ま、間違っても本物のセットじゃないですね。

チェコ語を頑張って読もうとしたのですが、「チェコ語→日本語」の機械翻訳がそもそも実用レベルのが無く、「チェコ語→英語」も3〜4割ほどの単語が認識すらされないためまともに読めません。同じ西スラブ言語系のロシア語や、チェコで比較的使用されていたドイツ語を通しての2段階翻訳ならまぁなんとかなりそうな気もするのですが、機械翻訳を2回も通してる時点で読めたモンじゃありませんでした。

で、なんとか拾い集めた情報を

・なんか大会とかけっこう開かれちゃってる。ポータル1&2&4限定とか。
・どうやら、とある1団体が強力にプッシュしている模様。
・しかし、驚くほどシングルやパックの情報が無い。一般販売はされてない可能性も高し。

とりあえず今、関係者と思われる相手&以前にこのカードを取り扱った形跡のある店舗&Wizardsの関係者にメールを伝書鳩しておきましたので、もし奇跡的に返事があれば追加情報をお知らせするかも。

しかしホントに完成度高いな、このセット。結構欲しいや。

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まあ、じゃあ最後にお約束の全カードリストを。
ちゃんとコレクター番号が打たれているので、最初の26枚が白、そのあと26枚が青……となってます。

1 : Another Chance
2 : Apocalypse Riders
3 : Battle Formation
4 : Builder
5 : Claw Eagle
6 : Comely Unicorn
7 : Devotion
8 : Exploit
9 : Faith Cure
10 : Heroic Knight
11 : Holly Anger
12 : King Ragald
13 : Knight of Light
14 : Lesson from History
15 : Lifebreathing Angel
16 : Lilliputian Army
17 : Lone Hero
18 : Lord of Eagles
19 : Palisade Commander
20 : Phalanx
21 : Queen Yoshemine
22 : Resolution
23 : Rightful War
24 : Sky Eagle
25 : Swordsman
26 : Wall of Glow
27 : Air Spirit
28 : Changeable Future
29 : Cloud Wall
30 : Corsair Ship
31 : Disturbance
32 : Fall Asleep!
33 : Freeze
34 : Hungry Piranhas
35 : Insidious Sirens
36 : Invisible Cloak
37 : Luscious Illusion
38 : Merfolk Chieftain
39 : Merfolk Mentor
40 : Merfolk Reiver
41 : Nexus
42 : Phantom Drake
43 : Physical Metamorphosis
44 : Prediction
45 : Reef Merfolk
46 : Replacement
47 : Soothsayer
48 : Spellstop
49 : Tsunami Wave
50 : Underwater Rider
51 : Water against Fire
52 : Wisdom of the Seven Sea
53 : Abyss
54 : Agonizing Specter
55 : Bloodthirsty Bat
56 : Constaint
57 : Cursing Hag
58 : Dreadful Vampire
59 : Fatal Tutor
60 : Fearful Mummy
61 : Gnaw and Eat
62 : Horde of Deads
63 : Hungry Rats
64 : Immortal Skeleton
65 : Knight of Dark
66 : Living Bones
67 : Necromancer
68 : Putrid Stench
69 : Rabble Zombies
70 : Ratcatcher
71 : Ravenous Ghoul
72 : Septic Wound
73 : Skeleton Warriors
74 : Sliced Mind
75 : Vampire Overlord
75 : Vampire Servant
75 : Vampiric Night
75 : Wrath of Devil
79 : Agoo, Goblin Barman
80 : Barbarian Gang
81 : Battle Mage
82 : Bigfooted Giant
83 : Dragon Fire
84 : Dwarven Digger
85 : Errruption
86 : Fire against Water
87 : Frenetic Dancer
88 : Furious Dwarf
89 : Goblin Air Forces
90 : Goblin Hypnotist
91 : Goblin Poltroon
92 : Goblin Stringed Quartet
93 : Heart Dragon
94 : Insidious Dwarf
95 : Keeper of Fire
96 : Lightning Entity
97 : Man-Eating Cyclop
98 : Storm Cloud
99 : Successful Tactics
100 : Sudden Lightning
101 : Treacherous Kobold
102 : Warlord
103 : Wrecking Imp
104 : Zeal
105 : Beast Tamer
106 : Breaking Fight
107 : Cave Bear
108 : Deedy Mole
109 : Deepwood Treefolk
110 : Elven Magician
111 : Elven Warrior
112 : Giant Chameleon
113 : Healing Dryad
114 : Heart of Norwood
115 : Hunters
116 : Locust Cloud
117 : Mangroves
118 : Nature’s Strength
119 : Pathfinder
120 : Rainbow Snake
121 : Reborn
122 : Resuscitation
123 : Sabre-Toothed Tiger
124 : Spider Net
125 : Stroke
126 : Treefolk Sentinel
127 : Walking Tree
128 : Wall of Trees
129 : Wood Alert
130 : Wood Spirit
B/01 : Torija, Swamp Queen
G/01 : Arathel, Elvish Queen
R/01 : Batlaxas, Red Baron
U/01 : Jefan, Talas Ship Captain
W/01 : Restela, Alaborn Marshal

ちなみに、ついでに全カードのイラストも入手したんですが、さすがに量が多すぎるのでアップは無理です。どうしても見たいイラストがあれば、メアド添えてご連絡いただければ数枚なら送りますよ。全部はめんどいのでヤです。常識の範囲で。

んでは、また来週。
今回は「マジックの裏事情」というよりは、「販売店の裏事情」になります。
裏ってほどでもないけど。

ま、シングルカードの価格はプレイヤーの方にも影響が大きいだろうし、これはこれでマジックの事情の一つだとも、無理やり言おうとすれば言えない事もないです。とても強引な自分がたまに大好きです。

まぁ、まず最初に。
マジックの販売店の"マジック"に関するお仕事は、大きく分けて4つになります。

 1) 未開封製品(パック、ボックス、その他)の販売
 2) 関連商品(ライフカウンター、デッキケース等)の販売
 3) シングルカードの販売
 4) シングルカードの買取

「だから何?」と言われそうなほど当たり前のことですね。
ここで重要なのは1つだけです。シングルカードだけは仕入れ値を自由に決められるということです。

あ、「売値も決められるじゃん」と思った方。それは半分正しくて半分間違ってます。確かに売値も自由に決められると言えないこともないのですが、コレ意外と自分の思い通りにはできないんのです。

よく勘違いされていることでもあるので、ここで一度ハッキリ申し上げますと「カードの値段は、カードの強さで決まるのではありません」。イラストやレアリティで決まるのでもありません。もちろん、それらの要素が値段に大きく影響するのは確かです。しかし最終的にカードの値段を決めるのは『人気』、それ1つです。ダメなカードでも人気があれば値段はあがります。非常に強力なカードでも人気が少なければ値段はそこそこです。
前者の例としては、「イラストが人気」という例がわかりやすいと思います。あと「たくさんのデッキに使われるカード(例:多色土地)」も人気が高くなります。多少弱くてもね。
後者の例としては、「強いけどメタに合わない」や「強いけど、1つのデッキにしか使えない」というのがあります。タイムリーな話題としては、世界選手権で優勝したデッキのキーカードにも関わらず、相変わらず値段がパッとしないDragonstormなどがいい例でしょう。いまだ500円未満って。

話を整理しますと、こうなります。

 a) 一般の製品は仕入れ値が一定。売値も同業他店とほぼ同じにしかできない。
 b) シングルカードの価格を決めるのはあくまでも大衆(客)。店ではない。
 c) ただし、仕入れ値は店次第。

(b)に関しては、やっぱり納得できない人も多いかもしれません。最終的に値段をつけてるのは店ですし。でも、それでもやはり「相場以上」の値段をつけたカードは売れ残り、たとえ売れたとしても「あの店は高い」という悪い評判という形でフィードバックしてきます。「相場以下」の値段をつければそりゃたくさん売れるでしょうが、今度は「在庫切れ」という最悪の形でツケがまわってきます。蛇足ですが、販売店にとって在庫切れは最悪の状態です。欲しい商品がない店に客はきません。いくら安いと評判の店でも、10回行って10回とも在庫切れでは、二度と行く気は起こらなくなるでしょう。多少高くても常に在庫のある店のほうが、客としては安心して足を運べます。
更に言うと、シングルの安売りをしている店はやはりシングルの買取価格も安いんです。そうするとそこで売ろうとする人は当然他より少なく、そのために商品の供給が滞るという事態を招くこともあります。その結果として、本当に皆が欲しがる一級カード・目玉商品が無い、ただゴミレアが安いだけの店と成り下がります。ウルザズサーガ〜メルカディアンマスクスの全盛期、日本でもマジックのシングルカード専門店が雨後の竹の子のようにぽっこぽっこ湧いた時期(特に東京・山手線沿線やネットショップ)がありましたが、そう言ったショップの7〜8割が既に名前も残ってないところを見ても、安売り大作戦は一時しのぎにしかならないことがわかるかと思います。…とは言っても、利用する客側としては美味しいカモなんですけどね。そういった「俺、カードたくさん持ってるからこれで商売しちゃおう! 他の店より安く売るぜ!」なチャレンジャーは。

ちなみに、ちょっと活躍しちゃったプロプレイヤーが「開店 → 最初だけ知り合いで賑わう → 数年足らずで閉店」のお決まりのパターンを踏むのはちょっとした風物詩、夏の花火のようなものですね。あぁ、あの人は今。
別パターンとしては「カードショップの店員 → こんな仕事でこんなに儲かるのなら俺っちもやるっち! → 独立 → 最初だけ(略) → 倒産」ってのもあります。マルチ商法とかにスグに引っかかりそうなタイプの人ですね。楽して儲かる仕事ナシ。

さて、また話が長くなりましたので、もう一度整理。
結局のところ、今回の話のキモは「シングルカード屋の良し悪しを決めるのは、カード買取価格」となります。とは言っても、決して「できるだけ安く買い叩ける店がすごい」ってワケじゃありません。むしろ真逆です。「カードにカネをたくさん払える店がすごい」んです。

売れ行きのよいカードをきちんと見定め、それらのカードが絶対に品切れを起こさないように注意を払い、適正な値段を払って在庫をきちんと補充できる店が優秀なシングルカード販売店と言えます。本来のシングルカードの仕入れ価格というのは販売価格の3〜6割が適正なんですが、彼らは時には販売価格の9割以上を払うことすらあります。手間を考えたら完全に赤字ですが、それでも「在庫切れ」を起こすよりはマシなんです。

さて、ここで販売価格の3〜6割と聞いて「そんなに安いのか!」と憤る方も居るかと思います。
次回はそのあたりの事情を。

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(おまけ)

今回はネタがけっこうタイクツなので、プチおまけとしてクイズでも。
このブログの趣旨に則り、やはり「まともにマジックをやる上ではまったく役に立たない」クイズになってます。

【問題】
1つのフェイズ中に、マナ・バーンを2回以上起こすことは可能か?
可能ならその一例を。

【条件】
ヴィンテージ環境。


まぁ、クイズにするくらいなんだから可能なんですけどね。
ちなみに問題製作者は私じゃないです。遥か昔(ということは、遥か昔から可能だったんですねー)に某所で某MaRo氏が公開してたクイズです。「ひでぇ問題だ」という文句は同氏にドーゾ。MaRo氏が披露したクイズの中で、私が最も気に入っているものの1つです。

正解は来週にでも。

ボックス流通と販売

2006年12月5日
今回はちょっとプレイヤー寄りのお話を。
パックやカードのお値段の話。
ま、ナマ臭い話です。

まず、アメリカの一般的な小売店が支払っている1ボックスあたりの仕入れ価格は$64.00〜$72.00です。なぜ値段に差があるのかというと、これは「Wizards社から直接仕入れ」「問屋から仕入れ」の差となります。
アメリカには日本でいうような一次問屋・二次問屋のシステムはありませんが、Wizards社の商品に関して言えば「卸販売禁止ショップリスト」のようなものが存在するため、全てのショップが問屋から直接買うことができるというワケではありません。具体的に言うと、インターネット上で国内・海外向けに廉価販売をしてるネットショップのほとんどがこのリストに入れられており、それらのショップは「Wizards社から直接購入」することも、「問屋から仕入れ」ることもできなくなっております。ま、要するに干されてるんです。

なんでこんな仕打ちを受けているのかと言うと、それはネットショップの殆どが一般の小売店よりも安売りをし、また海外へも発送をしているからと言われています。事実ネットショップの値段は、同業他社との激しい値下げ合戦の末に下がるとこまで下がっており、その値段はメーカー希望小売価格(アメリカでは「MSRP」と表されます)の3〜4割安となっているからです。
メーカーさんは、自社の製品の「価値」が下がることを嫌いますので、こういう安売りは敵視するんですね。

ま、じゃあそれらのショップはどうやって仕入れるかと言うと……それは各々の企業秘密となっているようです。それをココでバラしちゃうと流石にヤバいので多くは語れません。…まぁ、大抵の場合は「協力者」を用意して、その協力者を通して(ようするに「卸販売禁止ショップ」ではないところを通して)購入するといったことがあるようなないようなというウワサです。


そもそも、Wizards社は「問屋」の存在すら良く思っていないようです。
できるなら自社で全て流通を賄い、すべてをコントロールしたい。そう思っている節が多々あります。

まず1つに、Wizards社はここ数年、新しい「問屋」を殆ど増やしておりません。
マジックを扱いたい問屋はたくさん居るのです。ですが、それらの新規参入の道は非常に険しく、場合によってはすでに全く受け付けていないのかもしれません。
マジックを取り扱える問屋の数は年々減っています。中にはWizards社の方針に違反をして出荷停止になったり、単純にツブれたりなどの理由が主でしょう。

また、古くからマジックをやっている方なら「FoilのSerra Angel」の事件を覚えているかもしれません。
メルカディアン・マスクスの発売時に、Wizards社は自社のウェブサイトでボックスの予約を受け付け(たしか定価だったと記憶しています)、そこから購入したお客さんに「FoilのSerra Angel」を1枚プレゼントしたのです。当時はまだFoilカードが出たばかりとあり人気が殺到。小売店はけっこう苦々しい思いをしたと言う話です。
この一件からは、Wizards社は自社のサイトでの直接販売を強化しようとしたことがわかります。ただ現在ではこのプランはもう無くなっているのでしょう。Wizards社のオンラインストアは1997年からオープンしておりましたが、人気が殺到したのは1999年のこの事件の時だけだったと記憶しています。

現在では、小売店はWizards社に登録をし、審査を受けることでマジックのボックスを同社より直接仕入れることができます。それらの小売店は「再譲渡の禁止」等の契約を結んでおりますので、他店にそのボックスを流すことができません(ま、それでもやってるとこはやってますが)。あくまでも自分の店で、自分のお客さんに売る分だけしか仕入れられないのです。


更にWizards社は、現在ブースターパックに「2次元バーコード」というものを仕込んでいます。
これは何かといいますと、これをピピッとチェックすると「ドコの工場で作られ、ドコの流通を通して販売されたパックか」というものが全てわかってしまうというイヤ〜なものです。
以前はブースターボックスの中に製造番号を書かれたちっこい紙が一枚入っていただけなのですが、あまり効果がなかったのでしょう。またバーコードにも製造工場の情報が入っていた時期もあったようですが、ボックスを廉価販売する店はこのバーコードを切り取る、もしくは別の箱に移し変えて販売をしていたため、ついに最終兵器として投入されたのがこの2次元バーコードのようです。
全てのパックにきっちり印刷されているため、事実上全てのパックがWizards社の流通管理下におかれていると言っても過言ではないでしょう。



そんなワケで、マジックのボックスが安く買えるお店というのは年々激減しています。
みなさんも思い当たる節があると思いますが、以前はけっこう安く買えた海外の某社がいまでは日本と対して変わらない値段で売っていたり、以前は大安売りでバンバン売っていた某社が知らない間にひっそりと店を畳んでいたり……といろいろなんです。

ま、でもコレはけっこう賛否両論かもしれません。
このまま安売りがなくなりドコのお店でも大差のない値段で売るようになったら「どうせ値段が変わらないなら地元のお店で買おう」とか、そういう意見もでてくるでしょう。…ま、このへんの話は別の機会に。


次回はシングルカードのお話を予定してます。
これまた、ナマ臭い。
数回ほどつまらん話が話が続きましたので、今回はちょっと目の引くヤツを。
鑑定機関なんて一般のプレイヤーにはホント縁の無いブツですし。
今回はもうちょっと一般よりのお話。「非公式のカード」。

……十分マニアックかもしれないなあ。
また一般プレイヤー置き去りだあ。


ま、でもですね。
これを書かないとこのブログを書き始めた意味がないと言ってもいいほど、この話は「裏寄り」なんですよ。要するにこれこそが「黒歴史」。あ、いま始めてこのブログで黒歴史って言葉使った気がするや。メインテーマのはずなのに。

まず最初に前提として挙げておかなければならないことから。
「マジックは、サードパーティによるエキスパンションセットの製作を認めていない」。これは絶対なんです。昔から変わらず、また今後も変わることはないでしょう。
それにも関わらず、世の中にはマジックの「オリジナル・エキスパンション」とも呼べるものが数多く出回っています。無論これらは基本的に著作権無視の違法モノであり、その殆どは訴えられたら負けるレベルでしょう。

しかしながら……その中には極僅かではありますが「限りなく公認("公式"ではないことに要注意)に近い」と言えるセットがあります。今回紹介する2つはそんなちょっとヤバめのセット。

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■ミドルエイジ (Middle Ages)
知る人ぞ知る、超有名セット。でも知らない人にはなんのこっちゃな陰のセット。

1994年にFred Ditzler氏によって作られた、総枚数75枚のセットです。発行枚数9万枚。
8枚入りのブースターパック(といってもただの袋ですが)の形で、主にペンシルバニア、デラウェア、ニュージャージーの3つの州で販売されました。

このセット、基本的に同人セットです。
Wizards社からライセンスを受けているわけでもありませんし、いわゆる「マジック」の歴史の中に含まれる類ものでもありません。それにも関わらずに何故これほどまでに「幻のエキスパンション」として一部コレクターに持てはやされているかというと、それはこのセットの発売から発売中止に至るまでの経緯にあります。

そもそもこのセットを作ったFred氏は、このセットがマジックの権利(いわゆる著作権やら意匠権)に触れる可能性があることを最初から危惧しておりました。そのために彼は、まず明らかに意匠権に触れるマナシンボルを全てオリジナルのものに変更し、またカードのレイアウトも若干変更(本来ならカード名があるところに「カードタイプ」、カードタイプがあるところに「カード名」があります。またパワー/タフネスの表記もマナコストの横に移動してます)もしています。

参考までにですが、彼が製作したカードのマナシンボルは以下のようになっています。

 黒マナ: 墓石
 青マナ: 波
 緑マナ: 葉(ヤシの木の葉っぱの部分、という感じでしょうか)
 赤マナ: 火炎(『火』ではなく、燃え盛る炎の波)
 白マナ: 十字架

さらにFred氏はこのセットの発売に先立って、なんとWizards社に電話確認を行っています。
「これこれこういうファンセットを作りたいと思う。マナシンボルも独自のものを仕様し、カードのデザインもこういう風に変えた。これを作ることは問題となるだろうか?」と、当時のWizards社(カスタマーサービスと思われます)に口頭で説明したのです。そして「それなら問題は無い」という同社からの返事を持って印刷・販売に至りました。

繰り返しますが、彼は電話という手段ではありますが「許可」を得ています。
まぁ、もちろんこれは今となっては確かめる手段もなく、またWizards社も決して認めようとはしないでしょう。その電話で「問題はない」と答えた人物がダレであるかを確かめる手段もなく、またそれがちゃんと責任のとれる立場の人間であったかどうかも不明です。

しかし、彼は「OK」の返事を貰い、それで発売に踏み切りました。
そしてこの先はみなさんもご存知の通り、発売後にこのセットが問題となり、結果としてWizards社から回収・販売の中止要請が下り、このセットは幻と消えました。
彼のミスは、上記の「許可」……(ま、事実は最早確かめようがないので「彼がそう判断したもの」としましょうか)……を『書類』等の後に残るの形で残さなかったことにあります。

ミドルエイジのカードは現在でもコレクター市場では高値で取引されています。
このセット、正確には「カード」ではありません。いわゆるステッカー(シール)です。
現在出回っている多くのカードは、このステッカーを適当なコモン等に貼り付けたものとなっています。ま、当然のように未貼付のステッカーのほうが価値は高いです。

まあでも……またこんな話になってしまい恐縮ですが、未貼付のステッカーの中には「これ、本当に最初に作られたもの?」と疑わしいものも、まぁ無いとは言いません。見分けるのはひたすら困難であり、しかもソレがニセモノであるという根拠もまだ無く、ただただ私が長い間ミドルエイジのカードを見てきた経験から「どうしてこのカードだけがこんなに枚数が多いんだ」と「どうしてこのカードだけ、この部分が他と違うんだ」という2つの引っかかる点があるというダケです。

確信がないので詳しくは述べるのは控えておきます。
ただ、某オークションで「なぜか毎回のように、同じカード内容のミドルエイジの複数枚セット」を出品している某ディーラーからだけは買わないほうがいいかと思う次第であります。

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■エッジ・オブ・ザ・ワールド (Edge of the World)

そらきた、ダレも知らないレベルのセット。
あ、コレクターの間では非常に有名なサイト「Magic Rarities」を普段から愛用している方は「あー、あれか」と気付くかもしれません。でも詳しい内容まで覚えている人はまず居ないでしょう。
それくらい無名。あまりにも無名。ただし、その筋ではとても珍重されている、非常に限定された人間の間だけで有名なセットです。今後のあなたのマジック生活のうえで、知らなくても全く問題ありません。

このセットは1996年に「Manafest(現在のKubra Con)」の会場で配布されたセットです。
製作者はドナルドXさん。ミドルエイジと同様にこのセットもステッカーです。

繰り返しますがセットが配布されたのは1996年……ミドルエイジよりも2年も後です。
当然「ミドルエイジが販売中止となり回収された」ことは有名となっています。しかしそれでも配布されたこのセット……さてさて、どういう事かということを説明いたします。

このセットを作ったドナルドX(これ絶対本名じゃないよな)もWizards社に確認をしています。
そして以下の条件を告げ、製作許可を得ています。

 ・マナシンボルを使わない(黒マナはB、赤マナはRのように文字になっています)
 ・カラー印刷ではなく、一目でオフィシャルのものではないと判るよう「白黒印刷」とする
 ・カードのバックグラウンド(色ごとに違う内枠の部分)もオリジナルのイラストにする
 ・カードの下部に「これはWizards of the Coast社の製品ではありません」の断り書きを入れる
 ・トーナメントの賞品として配布するのみとし、販売は一切行わない。

結論から言えば、エッジ・オブ・ザ・ワールドのセットに中止・回収要請は出ておりません。
その意味から言えば、最も「成功」したセットであるとも言えます。

ただし、現在このセットの認知度は非常に低く、かなりヘビーなコレクターでも存在すら知らない人も多いです。一切の販売を行わずにトーナメントでの賞品として配布のみとした結果、まず大多数のプレイヤーはその場で捨てました。わけのわからない、白黒印刷のオリジナルカードに何の価値も見出せなかったのでしょう。

現存するエッジ・オブ・ザ・ワールドのセットは非常に僅かです。
イラストのクオリティもなかなかに高く、カードの内容も非常に独創性に富んだ興味深いセット、そしてなにより「唯一Wizards社に認められたセット」として歴史的価値も高いセットなのですが、もはやこのセットが世間一般のプレイヤーの目に触れることは無いのかもしれません。

以下のサイトに写真がありますので、興味をもたれた方はどうぞ。
http://www.magiclibrary.net/rarities-edge-of-the-world-1.html

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ミドルエイジから12年、エッジ・オブ・ザ・ワールドから10年。

マジックはもはや大きくなりすぎました。
今後このような形で「公認」を得て、オリジナルセットの配布が認められることはまず無いでしょう。
これらのセットが、たとえ電話確認という形であれ「認められた」という事実すら、もはや歴史の彼方に葬られるべきものとなっているのでしょう。

そう考えると、ちょっと寂しい気もします。

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